一度電流が流れ始めると、負性抵抗の性質によりますます電流を流そうとし、CTに充電された電荷はE-B1を経て急激に放電するのでVEの電圧も急激に下がる。VEがある値VV に達すると、UJTは電流を流せなくなり(トランジスタのバイアス電流に相当するIBは流れている。)放電が止まり、再びRTを通してCTに充電が始まる。この過程を繰り返すことにより、図5・24(a)のようなのこぎり波が得られる。
図5・23の回路のB1と接地の間に抵抗R1を入れると、R1の両端に図5・24(b)のようなパルスが得られるので、パルス発振回路としても利用される。のこぎり波発振回路はレーダーのブラウン管の掃引用などに、パルス発振回路はコンバータ電源回路の同期用に用いられる。1]2]を帰還形発振回路、3]4]を弛張発振回路という。
5・2・3 周波数シンセサイザー回路
シンセサイズ(Synthesize)とは合成するという意味で、周波数シンセサイザーは1つの(又は小数の)高精度、高安定度の発振器より、これと同じ精度、安定度を持つ多くの周波数を合成していくことである。その回路方式は幾つかあるが、現在最もよく使われているPLL回路(Phase Locked Loop Circuit)について説明する。