最後にはんだ付けの場合の注意を述べる。トランジスタは、規格表の最大定格に示されているように、接合部の最大許容温度が決まっているが、この温度ははんだごての先の温度よりもかなり低い。したがってはんだ付けのとき、こてを長い間あてがっていると熱が端子を伝わってトランジスタを壊すことがある。規格でははんだの温度が 260℃以下、時間10秒以下となっているが、ヒート・シンク用の器具あるいはピンセットやラジオペンチで端子をつまんで、熱をそちらに逃すようにすると無難である。特に熱に弱いものは規格表の中にその旨記載されていることがある。
なお、MOS形を使用するときの注意事項は 6・4・4節に詳しく述べてあるので、これを参照されたい。
練習問題
(問1) 次の文章の空欄に適する字句を、回答欄の該当する記号のところに記入せよ。
半導体の結晶内に添付して、P型半導体とするための物質を(a) といい、(b) 個の価電子を持っている。このような物質として、(c) , , 等が挙げられる。
(問2) PN接合ダイオードに、N側がプラス、P側がマイナスになるように電源を接続すと、電流はほとんど流れない。その理由を説明せよ。
(問3) 電界効果形トランジスタ(FET)と普通のトランジスタの大きな相違点は何か。