次に述べる導波管の場合とは異なり、同軸ケーブルの中は直流を含めてどんな周波数の電波でも伝えることができるが、周波数が高くなるに従って中に充てんする絶縁体による損失が次第に大きくなる。この絶縁体には高周波特性のよいポリスチレンなどが使用されるが、それでも電波の波長が 3,000MHzを超えると損失が大きくなって、伝送線路としては不適当になるので、Cバンド(波長5cm)やXバンド(3cm)のレーダー用には使用されず、次に述べる導波管が用いられるようになる。
3・5 導波管
導波管(Wave Guide)は図3・4に示すような中空の金属の管で、この中を電波が伝わるわけである。導波管には図のように円形導波管や方形導波管などの種類があるが、レーダーでは専ら方形導波管が使用されているので、こゝでは方形導波管についてのみ述べる。