このような波形に対して、時間t=0の位置が波形の途中から始まる正弦波も考えられるが、その場合の(2・6)式は
e=Esin〔2πft+θ〕 (2・7)
として表される。このときのθはt=-θが電圧ゼロに相当し、これは位相と呼ばれる。こうして、交流波形は一般的な形としては、最大値(振幅)、周波数および位相で表されることになる。なお、以下、特に断りのないときには交流は正弦波のもののみを扱うことにする。
2・5 交流の電力
交流の電流を抵抗に通した場合は、2・2 で述べたオームの法則がそのまま適用される。すなわち、電流iを抵抗Rに流したときの電力Pは(2・3)式の第3式と同じで、
P=i2R
である。ここで、i=Imsin 〔ωt〕であるので(Imは電流の最大値),
となる。この式で、第1項は時間によって変化しない項であり、第2項は時間とともにプラスになったり、マイナスになったりする項で、その変化の周期は元の交流の半分(周波数は2倍)である。