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さらに、真運動(トルーモーション)という表示も行うことができる。これは、ジャイロコンパスの情報のほかにログからの速度情報も入れて、それらによって、自船の位置をCRT上で自船の速度とその進行方向に相当する分だけ動かす操作をする。そうすると、CRT上の映像は静止している物標(例えば陸地)は止まったままで、自船を含めて動く映像はそれぞれの運動の方位と速度に従って動く表示方法が得られる。ただ、このトルーモーション表示では、何もしないでおくと、自船がCRTの映像面から外に出てしまうので、あまり自船の前方の視界が狭くならないうちに、リセットをして映像を移動し、元に戻す必要がある。このため自動リセット機能を持ったものが多い。

 

1・2 レーダーの性能

こうして、レーダーは沿岸水域での航海をするときの船の位置の測定等に用いられ、さらに船の周囲の見張りを助けることによって、他船との衝突防止等にも役立つことになるが、そのレーダーの性能を表すのには、主に次のような項目が考えられる。詳細については機器保守整備編を参照されたい。

(1) 最大探知距離

そのレーダーで物標を探知できる最大限の距離で、レーダー自身の送信出力と空中線高さ及び探知物標の高さと電波を反射する性質などによって決まる。

これらの数値的な関係は、9・9・1 と9・9・2 のレーダー方程式のところで詳しく述べてあるので、これを参照されたい。

(2) 最小探知距離

そのレーダーで物標を探知できる最も近い距離のことで、要するに物標の存在をどの近さまで見ることができるかを表す距離である。専らレーダーの送信パルス幅によって決まり、例えば、1μs(10-6秒)にレーダーの電波は 150メートルを往復するから、幅1μsのレーダーでは、150メートルより近い物標は受信信号が送信信号と重なってしまうので、探知できない。

(3) 距離分解能

同一方向にある二つの物標が、二つの映像として分かれて見える最小の距離間隔のことである。要は同じ方位にある複数の物標を弁別できる能力を表し、これもレーダーの送信パルス幅によって決まる。

 

 

 

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