(b) いずれの端子で測定してもよいが、低圧側の接続電線の電圧降下に注意する。
(c) 測定時の巻線温度を測定しておく。
(d) タップあるものは、全タップを測定する。
一般に船舶用変圧器のインピーダンス電圧は5%以下である。
(2) 基準温度への補正
得られた負荷損は基準温度に換算する。抵抗損は巻線の温度に比例し、抵抗損以外の損失(漂遊負荷損)は温度に反比例するものとして次のように計算する。

ここに、W75,W115;それぞれ75℃,115℃に換算した負荷損
Wt;測定で得られたt℃にての負荷損
I2Rt;t℃にての巻線の抵抗損
(3) 低電流で測定する場合
定格電流を流すことができない場合は、定格電流の25%以上で測定してもよい。このときはインピーダンス電圧は電流に比例し、負荷損は電流の2乗に比例するとして、それぞれ定格電流に換算する。
2・5・6 無負荷試験
無負荷状態に生ずる損失、主として鉄損及び無負荷電流を測定する。
(1) 測定法
無負荷損及び無負荷電流は一つの巻線に定格周波数・定格電圧を印加し他の巻線は開放して行う。電圧波形はなるべく正弦波が得られる試験電源が望ましい。図2・49にその結線図を示す。実効値電圧計と平均値電圧計の使い分けは次のようにする。
(a) 三角結線をもつ三相変圧器 この場合はすべて実効値電圧計による。ただし線間電圧の第5及び第7高調波分の和は電圧実効値の5%以下でなければならない。