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2・4・3 巻線抵抗試験(2・2・3参照)

一般用誘導電動機の固定子巻線の抵抗は、ほぼ図2・36の値ぐらいである。抵抗測定は固定子巻線のみでなく回転子巻線も測定すること。これは特性算定には必要ないが、回転子巻線の温度上昇の算定、巻線の接続違いチェックのためである。なお、巻線抵抗値の各相間の不平衡は平均値の±5%以内が普通である。

 

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図2・36 固定子巻線1相の抵抗値(75℃)の例

 

2・4・4 特性試験

(1) 誘導電動機の特性として知りたいのは、負荷に対する電流・効率・力率・すべり・最大出力・停動トルク・始動トルク・二次電圧・二次電流、又はすべりに対するトルク・電流などである。これらの値を求める試験法として、普通行われるのは次の方法がある。

(a) 円線図法

(b) スタインメッツ計算法

(c) 損失分離法

(d) 実負荷試験法

(e) 損失の和による算定法

(a)の測定法としてはいちばん簡便なのでメーカの試験法として一般に使われる。

(b)は精密な値を求めるには適しているが計算がめんどうであり、あまり使われない。

(c)は相手機械と連結された状態でできる。

(d)は円線図法では誤差が大きくなる特殊な電動機(励磁電流が全負荷電流の80%以上にもなるようなものなど)や、試作・研究のための実証試験などに使われる。

(e)はあまり使わないがJEC-37(誘導機)に規定されている。なおこのほか、すべりに対するトルクを過渡現象直視装置により観測することも行われる。

(2) 電動機の特性を算定するためには、次の試験による測定結果が必要である。

(a) 巻線抵抗測定(2・4・3参照)

(b) 二次電圧の測定(2・4・5参照)

(c) 無負荷試験(2・4・6参照)

(d) 拘束試験(2・4・7参照)

 

 

 

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