2・2・14 過負荷試験
温度試験に引きつづいて行い、発電機の電圧、回転速度及び周波数を一定に保って、規定の過負荷条件を与え、電気的・機械的・熱的に異常のないことを確かめるものである。
規定の過負荷条件としてはNK規則では50%過電流で2分間、船舶設備規程では50%過負荷で1分間支障なく運転できるものと規定している。
2・2・15 過速度試験
回転機の過速度試験では、振動・音響その他機械的な異常を調べる。交流機の場合は電源周波数を上昇させて回転速度を上昇させるのが便利である。
この試験に対して船舶設備規程では1分間、NK規則では2分間、下記の速度で支障なく運転できるものと規定している。
発電機
タービンにより駆動されるもの・・・・・・・・・定格速度の115%
内燃機関により駆動されるもの・・・・・・・・・〃120%
その他のもの・・・・・・・・・・〃125%
2・2・16 その他の試験
(1) 振動試験
振動試験は、回転機単体のつりあいの良否を知るために行うもので、回転機を定格電圧、定格周波数又は定格回転速度、定格励磁状態で無負荷運転し、次により振動を測定する。
(a) 測定条件
(i) 据付状態は、37KW以上については定盤上で37KW未満は弾性体支持で行うのが原則である。
(ii) 軸端のキーみぞには、使用するキーの半分の厚さのものを取り付けるのを原則とする。
(iii) 電動機は固定せず無負荷運転できるが、発電機の場合は無負荷にして、他の駆動機により定格回転速度で回すか、電動機として運転する。
(b) 振動レベル
定盤上に据え付け、指示振動計又は記録振動計をもって軸受部の振動を測定し、その値は複振幅で2/100mm以下とすること。
(2) 騒音試験
機器を定格電圧、定格周波数又は定格回転速度、定格励磁状態で無負荷運転し、次により騒音レベルを測定する。
(a) 測定条件
(i) 測定には、周囲からの反射音及び暗騒音ができるだけ少く、また、変化の少ない場所を選んで弾性体上で行うことが望ましい。
実際には小容量機種は設備のよい防音室で測定されることがあるが、中容量以上の機械は工場内試験場の定盤上で測定されることが多い。