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2・13・12 その他の航法装置

 

(1) ロランC受信機

ロランCは、100KHz帯のパルス波を使用することにより、地表波と空間波(地表と電離層との間を反射しながら伝わる電波)との区別が容易にでき、安定している地表波を使い精度の高い位置測定を比較的遠距離(1500マイル)まで行うことができる。

ロラン航法は、主局と従局で一組となる二つのロラン局から同期して発射される電波を受信し、その到達時間差を測定することにより船の位置線を求める方式である。この位置線は、電波の到達時間の差が等しい点の軌跡であり、主従二局の位置を焦点とした双曲線である。

船位の決定には、二組以上の組局の電波を受信して、それぞれの位置線の交点から船の位置を求めるものである。

(2) デッカ受信機

デッカは、長波を使用した双曲線航法の一方式で、ロランと違い連続電波の位相差を測り位置の線を求め船位を定めるものである。

一つの主局と三つの従局が一組となり構成され、これをデッカチェーンと呼び40数チェーンで運用され、測位有効距離が昼間で350マイルの中近距離航法システムとして、高精度の測位が可能である。

ヨーロッパを中心に発達普及したもので、日本では北海道、東北そして九州にデッカチェーンがあるが、GPS航法に置換えられヨーロッパ、アフリカを別にして、国内では近い将来廃止の方向である。

 

2・13・13 レーダー

 

船舶用レーダーは、パルス状のマイクロ波を指向性空中線から発射し、その電波が物標に当たり反射して戻ってくるまでの時間を測定して物標までの距離と物標の方位を測定することができる装置である。物標の探知距離は、24〜60海里のものが普通で、120海里まで有効なものもある。

表示は、PPI(Plane Position Indicator:平面位置表示器)に表示される。

 

 

 

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