これにはキュリー点を常温以下に下げた綱、ニッケル、銅等の材料である。
用途としては電器機器内の鉄心押え金、がいしのキャップ、支持金具等に用いられる。
注:強磁性体では、温度上昇にともなって、自発磁化が減少し、ある温度になれば消失するその温度をキュリー点(curie point)という。
8・6 特殊電気材料
8・6・1 光電子放出材料
固体間の電子が光のエネルギーを受けて固定表面から外部に飛び出す現象を光電子放出といい、この飛び出た電子を光電子という。
光電子放出材料は光電管等に利用されるが、これにはセシウム(Cs)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)等がある。
8・6・2 熱電子放出材料
金属や半導体を高温に熱すると、その表面から電子が放出される現象を熱電子放出といい、この放出される電子を熱電子という。
熱電子放出材料はタングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、トリウムタングステンなどがあり、送信用又は受信用電子管等に用いられる。
8・6・3 熱電対材料
熱電対はゼーベック効果を利用して比較的高い温度測定に用いられるもので、その材料としては白金─白金ロジウム、綱─コンスタンタン、クロメル─アルメルの組み合せたものが普通である。
8・6・4 圧電材料
例えば、水晶やロッシェル塩等の結晶に機械的にひずみを与えると電気分極ができて、その端面に正・負に帯電する。この電気を圧電子という。また、逆にこの結晶を電界中におけば機械的ひずみができる。この現象を圧電現象と呼んでいる。
この材料としては水晶、電気石、ロッシェル塩、チタン酸バリウム等がある。用途としてはマイクロホン、ピックアップ、超音波発生器等である。