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(5) 半導体に光のエネルギーをあてると、両端問に電位差すなわち光起電力が発生する。これを応用したものに光電池、太陽電池等がある。

(6) ロッシェル塩、チタン酸バリウムなど結晶面に力を加えると電極間に電荷が生じる。

また、電界を掛けると結晶にひずみが生ずる。これを圧電気現象という。

これを応用したものに音響測深機等がある。

以上のような作用及び現象を巧みにいろいろの方面に役立たせている。したがって、電気工学の社会に対する貢献度は大なるものがあるとみなければならない。

 

1・11 静電気と動電気

一方、電荷の移動によって電流が流れる電気現象もあり、我々が日常よく利用している電気、例えば、発電機、電動機、照明、通信機等は総べてその応用である。そこでこれらの電気を研究する学問を総称して電気工学と称している。1・3で述べたように摩擦によって生じた電荷が静止状態にあるような電気を静電気といい、静電気による現象は非常に高い電圧を用いる送電線路、絶縁物の破壊又は無線通信、電子技術などに関係がある。これらの学問を静電気学といい、雷の現象、コロナ現象の研究はこれに属する。応用面としては電気集じん、静電印刷法(ゼロックスなど。)、静電噴霧塗装法等がある。

 

1・12 直流、交流、瞬時電流、周波数

電圧及び電流の大きさや流れる方向が時間とともに変化する有様によって次のように分類する。

1・12・1 直流

図1・17(a)のように電圧又は電流の大きさ及びその方向が時間に対して変化しないで一定の値を保っている電気の流れを直流といい乾電池の電気はこれに属する。

図1・17(b)のように電圧又は電流の方向は+側に一定であるが、大きさが図中(1)又は(2)のように周期的に脈を打っている。これを正しくいえば脈流であるが、一般にはこれを整流された直流といっている。

 

 

 

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