(2) 電線の種類及び記号の使用方法の一例を次に示す。
(a) 防食ケーブルの場合には、ケーブル記号の最後に防食層の記号をつける。
〇 H-TPYCY-3.5: 660V3心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ビニル防食ケーブル(3.5mm2)
(b) ケーブルの呼び方は、ケーブルの種類及び導体公称断面積による。ただし、多心線及び電話用ケーブルの場合は、ケーブルの種類と線心数又は対数による。
〇 L-MPYC-12: 250V多心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(12心)
〇 L-TTYC-3: 250V電話用ビニル絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(3対)
(c) 電話用ケーブル、配電盤用電線及びビニルコードについては、絶縁記号を省略する。なお、配電盤用電線に当たっては外被記号も省略する。
〇 SCP-8: 660V船用配電盤用単心可とう難燃架橋ポリエチレン絶縁電線(8mm2)
(d) JISの電圧種別を簡単に表記するため、右のようにH及びLで表す場合がある。
〇 H-TPYC-3.5: 660V3心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(3.5mm2)
〇 L-DPYC-2: 250V2心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(2mm2)
(e) 外洋航行船等に使用される耐延焼性ケーブルの記号は次のように表されている。
○ FH-TPYC-3.5: 660V耐延焼性3心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(3.5mm2)
2.2.2 船用電線の構造
船用電線は、布設時に機械的損傷やガス、溶接などによる焼損を受けやすいので、特殊用途の電線(移動用コード、配電盤用電線など)を除いて、鋼線又は銅合金線によるあじろがい装が施されている。
一般によく使用されているケーブルの構造例を図2.1に示す。