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1.4 電気艤装工事の計画と管理

1.4.1 艤装工事方法

(1) 艤装工事の種類

艤装のステージには、大別すると、船殻ブロックが搭載される前に艤装工事の一部を先行させて行う地上艤装と、ブロック搭載後に行う船内艤装とがある。艤装工事を、その施工場所により分類すると、次のようになる。

(1) 内業艤装

(2) 地上艤装(内業艤装も含めて呼ぶ場合もある)

(3) 船内艤装

船内よりは地上、地上よりは内業における艤装が作業性も環境も良いので、品質・能率・安全などの見地から、極力作業を内業又は地上艤装のステージで消化するよう計画すべきである。ただし、早いステージで取付けるとそれだけ工事中の破損、絶縁低下、発錆などの機会も多くなるので、個々の艤装品ごとにどのステージで取付けるのが最善か検討する必要がある。

(2) 先行艤装

先行艤装は、船内艤装より前のステージで行われる艤装をいう。電装工事との関連を次に述べる。

(a) ブロック艤装

ブロック艤装とは、船殻のブロック建造方式に対応して、船殻ブロックが地上で加工、組立される段階で艤装品を取付けてしまうものである。

この方式は、従来は、電装工事での電路金物などの取付け及び電灯用支回路取付け位までが主であったが、最近の傾向としては、大ブロック化(上部ブロックや機関部ブロック等)が進み、地上で、ほとんどの電気艤装工事が可能となってきている。

(b) ユニット艤装

ユニット艤装とは、機器や艤装品を単品で船に取付けずに、あらかじめ複数個の機器や艤装品を組立てておいて一括搭載することである。ある特定の補機を中心として電動機、始動器、スイッチ類や配線の一部などを一体化するなどがその一例である。

更に、大組ユニットと称して複数の補機や敷板、配管などまで一体化することもある。ユニットが大きくなるほど、工数、工期、品質、安全など管理面で効果が大きくなるが、反面、ユニット化用の構造材の重量増加や運搬搭載面での制約などが生ずる。このため、設備に見合った計画が必要であり、またユニットの標準化などにより効率化を図ることが望ましい。

(c) 青空艤装

青空艤装は、艤装品の据付甲板となる船殻ブロックの搭載が完了した時点で、その次の(上部の)甲板となる船殻ブロックが搭載される前に、その区画の艤装品の搭載及び艤装工事を行うものである。クレーンで艤装品を運搬するのに障害が無いので、特に主・補機、発電機、配電盤など大形重量物の据付けに有効である。反面、船殻ブロックの搭載スケジュールとの綿密な調整を必要とする。

(d) 区画別艤装

船内において多数の職種が入り乱れて艤装工事を行うと、特定の区画に工事量が集中しすぎて作業環境が悪化したり、異職種相互間に作業阻害や後戻り工事が発生したりする。このため、船内を管理しやすい区画に細分し、かつ各区画ごとに同種の作業(例えば、機器台や電路材の取付けなど溶接を主とする工事、艤装品の据付けやケーブルの布設などボルト接合を主とする工事、塗装、セメント、防熱など表面処理工事及び仕上作業など)を集約した工程を組んで管理する場合があるが、これを区画別艤装、あるいはステージ別艤装と呼んでいる。

 

 

 

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