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4・10 無線設備

無線設備に関し船舶安全法が改正され、GMDSS(全世界的な海上遭難安全システム)が1992年2月1日から段階的に導入されているが、1999年2月1日からは全面移行となる。

次に述べる設備はGMDSS機器の概要を示したものであるが、これらの適用及び性能の詳細については、船舶設備規程、船舶救命設備規則、船舶電気装備技術講座(GMDSS)艤装工事および保守整備編(火日本船舶電装協会)、電波法関係規則等を参照のこと。

 

4・10・1 ナブテックス受信機

518 KHzで送信される航行警報、 気象警報、 捜索救助情報等の海上安全情報を自動的に受信し、印字する無線設備である。

情報の内容は、航行警報、 気象警報等17に区分されている。

海上安全情報のサービスエリアは海岸局から300〜400海里である。

 

4・10・2 高機能グループ呼出受信機

機能的にはナブテックス受信機と同様の海上安全情報をインマルサット静止衛星を経由して自動受信し印字する装置である。特定の船団の呼出しや一般公衆情報を受信する機能も備えている。

 

4・10・3 デジタル選択呼出装置

VHF、MF、HFによる通信をデジタル符号化することにより特定の船舶局又は海岸局を選択して自動的に呼出しをする装置である。呼出しを受信した場合は警報を発し、呼出しに含まれる情報は表示される。それぞれVHF、MF、HFの無線電話に付属させ、又は最初から無線電話に組込まれている。

 

4・10・4 デジタル選択呼出聴守装置

デジタル選択呼出装置の受信機能のみを有する装置である。

 

4・10・5 狭帯域直接印刷電信

デジタル符号を用いて自動的に相手局に接続し、通信文書を送受信するためのテレックス装置である。

MF/HF無線設備又はインマルサット無線設備に接続される。

 

4・10・6 インマルサット無線電話

インマルサット静止衛星を使用し、遭難通信を含む情報を船舶と陸上との間で直接交信する装置であり、A、B、CおよびMの4種のシステムがある。4個のインマルサット衛星は赤道上約36000kmの静止衛星軌道であって、東・西大西洋、インド洋及び太平洋上にあり、極地域を除く全世界的な通信有効範囲をカバーしている。

 

4・10・7 極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置(EPIRB)

船舶が遭難した場合、コスパスサーサット極軌道衛星を経由して陸上局に遭難の発生を送信する装置である。浮揚型と非浮揚型があり、浮揚型は手動発信のほか船舶から自動離脱して浮揚し自動的に発信される。非浮揚型は手動発信の機能のみを有し船橋等に装備される。

 

 

 

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