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4・9 航法装置

次に述べる装置のうち※印のものは船舶設備規程の適用を要するもので詳細はこれを参照のこと。

 

4・9・1 磁気コンパス(magnetic compass)

地磁気の水平磁場を利用して、船の進路物標の方位を求める計器で、コンパスカードがついている浮室の下に磁石を入れた筒を左右に並べて取付け、これを軸針で支えている。そしてこの指示装置全体が、アルコールと蒸溜水の混合液中に入っていて、カードの運動をある程度制動して安定な指度が得られている。

 

4・9・2 ジャイロコンパス(gyro compass)

高速回転のこまをジャイロという。ジャイロの特性として1]回転面を空間に固定しようとすること、2]偶力をうければ、偶力の軸に直角に回ろうとする傾向があること、これらの2作用と地球自転とをうまく利用して、構成されたジャイロは、三軸自由の軸を有し、その軸が地球上の真子午線を示すようにしたもので、この真方位と船の針路を測定できるように構成した装置である。この親のジャイロコンパスをマスタコンパス、親から分岐した子のジャイロコンパスをジャイロレピータという。

 

4・9・3 自動針路保持装置(heading control system)

ジャイロコンパスの真方位の信号を得て、予め設定した船の針路に向って船のかじを自動的に取る装置で、外乱によって命令針路が乱されることはない。

本装置はこれまで自動操舵装置(auto pilot)と呼ばれていたが、最近のIMOにより名称変更された。

 

4・9・4 回頭角速度計(turn rate indicator)

総トン数10万トン以上の大型船では、かじを取ったとき船の旋回が鈍く見定め難いきらいがあるので、その一助として角速度計を装備する。通常、自動針路保持装置のオプションユニットとして、ジャイロコンパスの方位信号の動きを微分して信号を得てできた計器である。

 

4・9・5 コースレコーダー(course recorder)

ジャイロコンパスと連携して、船の針路を自動的に記録する装置である。

 

4・9・6 航跡自画器

ログ(船の速力と航程を測る機械)からの航程信号とジャイロコンパスからの方位信号とを組合せて、航行する船の航路を自動的に、かつ、連続的に記録するX-Y記録装置である。

 

4・9・7 水晶時計

クロノメータ(chronometer 時辰儀)の代り及び一般の船内時計、自動化機器等に使用される。

 

4・9・8 ログ(log 測定器)(船設規:船速距離計)

船の速力及び航程を測る機械の総称で、次のような種類がある。

 

 

 

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