(2) 復水器(Condenser)
蒸気タービンの熱効率を良くするために、図3・9の[C]に示すとおり用いるもので、器内を真空に近く保ちタービンからの排出蒸気を容器内に導き、冷却すれば、蒸気は凝結する。このようにすれば数段階の羽根を経て低圧になった蒸気をさらに膨張させることができる。全体として熱の落差が増加し、熱エネルギーを有効に使用することができる。この目的のために用いるので蒸気タービンには必ず付属されている。
(3) 調速機
3・4・2(6)に述べたとおりである。
(4) ボイラ(Boiler)
蒸気タービン等に送る水蒸気を発生させるため、多量の水を入れ、これを加熱するための器をボイラという。船舶の推進機関に使用するボイラを主ボイラ、その他の目的例えば補機、加熱、暖房等に使用するボイラを補助ボイラ(又はドンキーボイラ)という。使用燃料はC重油だきが殆んどである。また、ディーゼル機関の排気ガスを有効に使用する排気ボイラ(廃熱ボイラ)等がある。一般に使用されているボイラの種類は次のとおりである。
(a) 丸ボイラ型の炉筒煙管ボイラ
直径2〜5メートル程度の横置円筒胴の中に蒸発伝熱面をもったボイラである。
図3・10は一例で、Aは炉筒、Bは燃焼室、Dは煙管、Cは蒸気ドームである。
普通蒸気圧 18〜20kg/cm3
発熱量 10T/h内外である。
ボイラ効率は石炭だきが65〜75%、油だきで75〜80%である。
注:ボイラ効率とは蒸気に吸収された熱量と供給燃料の燃焼熱量との比をいう。
(b) 水管ボイラ
蒸気胴と水胴又は管寄せとの間を連結する多数の水管をもって、蒸発伝熱面をつくっているボイラである。
これには横形、縦形などがあるが、図3・11は簡単な横形水管式ボイラの一例を示す。
水管式ボイラの特徴は、
1] 軽量小型である。
2] 保有水量が少ないので早く汽じょうできる。
3] 高圧高温に耐える(61kg/cm3・515℃)