〇第III型港湾管理タイプ:設備付き家主型港湾管理者
II型とは逆に、インフラとスーパーストラクチャーの両方を整備して貸し出す場合。
〇第IV型港湾管理タイプ:設備/まかない付き管理者
シンガポール型
「特殊法人であるPSAがインフラとスーパーの両方の整備を含め、計画・所有からターミナルオペレーションまで全て行う。」(中略)「一つの公企業が全面的な責任を独占してもなおかつ商業主義や効率性が維持されるユニークなケースである。それは中継輸送を取り扱うことによって所得と雇用を獲得するという、港湾事業をひとつの産業とみなす資源が少なく生産機会が限られた国の基本姿勢に支えられている。」このように、「国益(この場合雇用の確保・貿易促進など)に配慮しつつ商業主義を目指すもの」をいう。
イギリス型
「計画・整備・所有・運営まで全てを純然たる民間会社が行うフェリックストオ港と同様の管理を行う港湾。」この場合の「管理者は会社の採算性だけを第一義的に重視した商業主義となる。」
○第I型港湾管理タイプ:権利交付のみ家主型管理者(香港港)
「第IV型とは対照的に港湾管理者が最も管理・運営に手をかけない」タイプ。「港湾を管理する立場の香港政庁は計画・開発権利許可のみを行う。」「コンテナ・ターミナルの整備・運営は民間会社に任されるという意味ではフェリックストオ港など民営化されたイギリスと共通しているのであるが、イギリスの場合は民間会社が計画から全てを一切の政府関与なしに行い、民間会社自身が港湾管理者となっており設備/まかない付きの第IV型の港湾管理者に属する。香港の場合は計画と開発権利許可という役割が政庁の手に保持されており、港湾管理者は民間会社ではなく政庁なのでそれに着目して分類すると第IV型とは正反対の第I型に相当することとなる。」