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イ. MPAの財務

MPAは財政的に政府から独立している。1996年のMPAの収入は約127百万ドルでそのうち入港料とマリンサービスが114百万ドルをしめている。当期の純余剰金は53百万ドルと財政的にも極めて良好な収支状況にある。もともと官公庁的色彩の強い業務でありながら、このような利益を確保しつつ運営されていること自体注目に値する事項である。

 

3) PSA

ア. 組織と役割

PSAはシンガポール港の建設・運営・維持管理、荷役サービス、タグ、パイロット等のあらゆる港湾サービスを一手に引き受けるシンガポール港の管理者である。PSAは1964年4月まだシンガポールがマレーシア連邦のひとつの州であった時代に、Port of Singapore Authority Ordinance 1963に基づいて設立され、1912年以来港湾の管理を担当してきたSingapore Habour Boardの業務を引き継いだ。PSAの組織は1997年5月に改変され、全体を戦略ビジネスグループと戦略開発グループの2つに分けられた。

 

【戦略ビジネスグループ】

1] コンテナターミナル課:コンテナターミナルの運営を行う部門で、現在も将来ともPSAの中心的事業部門

2] 倉庫・物流課:コンテナターミナルと関連が深い倉庫業、物流部門への展開であり、総合物流サービスの提供を目指している。またこの分野に関するPSAの関連企業が多くある。

3] 国際業務課:海外投資、海外コンテナターミナルの開発・運営を行う。

 

【戦略開発グループ】

1] 管理課:ワールドトレードセンター、クルーズセンター等の管理部門

2] 技術課:コンテナターミナルの各施設の計画・設計、維持管理、技術開発

3] 情報技術課:ターミナル・物流システムの情報化、新ターミナルの開発

4] 総務課:法律、秘書、警察、経営戦略

5] 財務課:財政計画、経理、出納

6] 人事課:人材活用計画、研修、労働安全・衛生

 

 

 

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