日本財団 図書館


アイドリング時間と燃費の関係は、図6-3-1、表6-3-1に示した。アイドリング時間が長くなれば、当然燃費は悪化する。図6-3-2はアイドリング時間比率と燃費の関係を表した図である。この図より、アイドリング時間割合が変化したときの燃費の変化を図6-3-3に示した。たとえば、アイドリング時間が50%減れば、ディーゼル車の場合3%以上、CNG車の場合6%以上の燃費改善効果があることがわかる。CNG車の燃費改善効果が大きいのは、アイドリングの燃料消費量がディーゼル車より多いからである。

 

6.4 まとめ

 

共同輸配送を行うことによる経済的効果およびそこにCNG車を導入した場合の経済的効果を営業走行試験を行った6事業者を対象に検討した。

アンケート、ヒヤリング調査の結果、調査対象事業者では共同輸配送を行うことで車両台数は、33〜75%削減されたという結果が得られた。走行距離の削減は13〜63%に及んだ。その他、事業者によっては、待ち時間が短縮するなど種々の効果があげられた。

今回の調査では試算をしなかったが、共同輸配送による車両台数の削減は、車両費、人件費及び燃料費等のランニングコストの大幅な低減効果を、また、走行距離の削減は、燃料等のランニングコストの大幅な低減効果をそれぞれ生み出している。

次に、共同輸配送にCNG車を導入したときの燃料経済性を定量的に試算した。燃料価格をCNGと軽油で同等とし、各事業者の営業走行における燃料経済性を検討した結果、この試算条件では、ディーゼル車を用いた共同輸配送に対しCNG車を用いた共同輸配送の燃料費は約21〜41%増加したが、共同輸配送による走行距離の削減効果によって、ディーゼル車で共同輸配送を行わない場合に比べ、4事業者において燃料費は47〜86%と減少した。但し、共同輸配送による走行距離削減効果の少ない事業者では燃料費は103〜119%と増加した。CNG車を利用した共同輸配送において、燃料経済性向上のためには、車両の燃料消費率の向上及び軽油と比較したCNG燃料価格の低減が望まれる。

シャシダイナモメータ上でモード試験のデータを用い、アイドリング時間が燃費に及ぼす影響を検討した。D10・15モード走行では、アイドリング時間が50%減れば、ディーゼル車の場合3%以上、CNG車の場合6%以上の燃費改善効果があることがわかった。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION