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燃料消費率は、ディーゼル車7.98km/Lに対し、CNG車の平均値は6.88kn/Nm3であった(表5-2-1)。従って、軽油とCNG燃料の発熱量は異なるが、市場で使用されている燃料単位(L、Nm3)で比較すると、得られたデータの範囲では、CNG車のほうが約14%燃費が悪いという結果を得た。軽油とCNGの低発熱量の差を考慮して、エネルギーベースで比較するとディーゼル車のほうがエネルギー消費率が約35%低いことになる。

 

(2) 車両メンテナンス実績

今回の営業走行試験では、6台の試験車両の総走行距離は、29万km以上に達した。その間、運転日報、故障報告(事前に調査対象事業者に渡してある不具合シート)より、定期点検以外で行ったメンテナンス状況を調査した。その結果を表5-2-2に示した。なお、原因及び対策については自動車メーカーに確認して記述した。

試験走行期間中、重大な不具合は発生していない。路上停止につながるような故障は、燃料切れ1件及びレギュレータ不具合による走行不具合が1件である。これらについては、自動車メーカーの対応により改善されている。

参考までに、米国における大型バス代替燃料自動車故障発生率(ガス欠から種々の故障全てを含めたもの 出典:運輸低公害車普及機構平成9年度報告書「低公害・代替燃料自動車の普及促進に係る調査研究報告書」P.132)と比較すると、ディーゼル車の不具合発生率は約0.5回以下/1000マイル、代替燃料自動車は約0.8回/1000マイルである。今回の試験における総走行試験距離は291,962km、故障回数は15回であるので、約0.08回/1000マイルに相当し、特に不具合発生率の観点からは異常ではないと判断される。

 

 

 

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