また、それらの結果をもとに着色剤の第2次選定を行い、実証試験として着色剤がエンジンの排出ガスに与える影響を調査する試験を行った。最終年度である平成9年度は、実際の車両に着色したメタノール燃料を用いた実証走行試験を行い、燃料系、エンジン燃焼系等の部品に与える影響が無いことを確認した。また、同時に着色メタノール燃料を市場で使用するための供給システム及びコスト等の検討を行い、自動車用着色メタノール燃料の市場化に向けての、技術的、経済的検討について約3年間にわたる調査研究を総合的にまとめた。
2 技術的観点に基づくメタノール燃料に適した着色剤の選定
まず、文献調査等より表に示すメタノール着色剤の要求性能を設定し、そのガイドラインに沿ってメタノール着色剤の選定を行った。
上表のガイドラインに基づき、国内国外におけるメタノール燃料の着色に関する研究等の調査、着色剤資料の収集及び着色剤選定のための要求性能の検討、着色剤の第1次選定を行った。続いて、品質、安全性に関する試験として、自然貯蔵試験、燃料分析試験及び変異原性試験を実施した。また、それらの結果をもとに、1種類の着色剤を用い、実証試験として着色剤がエンジンの排出ガスに与える影響、実際の車両に着色したメタノール燃料を用いた実証走行試験を行い、燃料系、エンジン燃焼系等の部品に与える影響を確認した。結果概要を表に示す。
メタノール着色剤の要求性能