10 AUDI 1.9 TDI自動車による低温時の排出ガステスト
10.1 テスト・プログラムと手順
規制エミッションはUS FTP75の試験法に従い、摂氏マイナス6度と摂氏16度の温度でAudi 1.9 TDI自動車により測定された。このテストに使われた自動車と装置は第6章で述べられた。規制エミッションに加えて排気の透過度とホルムアルデヒドエミッションが測定された。
テスト・プログラムの要約は表11に示す。
表11. Audi 1.9 TDI自動車による低温排出ガステストに関するテスト・プログラム
10.2 結果
Audi 1.9 TDIエンジンによるFTP測定の数値結果は付録9に表示してある。排出の結果は図42にもまた表示してある。
規制エミッション
Audi 1.9 TDI自動車の一酸化炭素と炭化水素エミッションは、一酸化炭素の排出が摂氏16度の時と比べて2倍に増えた摂氏マイナス6度の時でさえ、概して低いものだった。燃料の間のいくつかの小さな差異が観察された。EtRE燃料からの一酸化炭素の排出は他の燃料よりも少なかった。セタン価向上剤はすべての燃料に対して一酸化炭素の排出を約20%減らす効果があった。RME20とEtRE燃料の炭化水素の排出レベルはCEC燃料の排出レベルよりわずかに高かった。セタン価向上剤は、RME20で最大50%近くに達するなど、炭化水素の排出を大幅に減らした。
摂氏マイナス6度での窒素酸化物の排出は摂氏16度の時と同じレベルであった。テスト燃料の間に特段の差異は見られなかった。
粒子状物質の排出はCEC燃料において最も高かった。粒子状物質はRME20燃料および、とりわけEtRE燃料において低かった。これは、RME20とEtREの粒子状物質が「湿った」ものであることが知られており、自動車に装着されている酸化触媒によって容易に酸化されることで理解できる。