9 Valmet 612 DWIエンジンによる低温状態での効率テスト
9.1 テスト・プログラムおよび手順
選ばれたテスト燃料(CEC、CEC+ci、RME20、RME+ci、EtRE、EtRE+ci)の低温状態での挙動は、低温始動テストによればすべての燃料に適切な、摂氏マイナス6度で判定された。
このテストの目的は、特定の温度で異なった燃料の低温状態での挙動をお互いに比較することであった。
このテストに使われたエンジンは、第5章で述べられたEuro 2エミッションレベルのValmet 612 DWIエンジンであった。実験室、動力計およびエミッション測定装置は同じものであった。テスト・プログラムは2つの部分に分けられた:
1. 低温始動テスト
2. エミッションおよび燃焼テスト
低温始動テストは第8章でValmet 620エンジンについて述べられたものと同様な手続で行われた。
エミッションおよび燃焼テストは低温始動テストの後、まだ冷たいエンジンで直接行われた。測定は以下の負荷で行われた:
1. 中速、25%負荷
2. 中速、50%負荷
3. 高速、25%負荷
4. 高速、50%負荷
9.2 摂氏マイナス6度での低温始動
摂氏マイナス6度での低温始動テストを通じて、連続した約50の作業サイクルのシリンダー圧力がクランキングの開始時点から測定された。これはほとんどの場合において始動するのに十分であった。テスト燃料の間に明らかな違いがあった。図35および図36はCEC、RME20、EtREおよびEtRE+ci燃料に関する始動後のシリンダー圧力上昇率を表示している。
着火はCEC燃料ではクランキングの開始の後ほとんど同時に発生した。RME20燃料のシリンダー圧力上昇率はCEC燃料と類似している。EtRE燃料はまったく異なった動きをする。クランキングの開始の後の最初の50サイクルを通じて、着火は3回発生しただけであった。EtRE燃料に着火促進剤が加えられた場合、着火は添加剤を加えない場合より明らかに良好であったが、CECやRME20燃料よりは不良であった。