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IEA/AMFアネックスX「新燃料の品質特性」の目的は、炭化水素燃料に関して開発された伝統的なテスト手法(セダン価および低温特性)が新しい代替ディーゼル燃料、エステルおよびアルコール混合物の実際の利便性をどのように判定しているかについて評価することであった。その目的は新しい基準を開発することではなく、新燃料の品質特性における現時点のテスト手法の欠点を指摘することである。燃焼特性、排出ガスに影響を与える特性、低温時の挙動および安定性およびディーゼル燃料の潤滑性が研究の対象とされた。
この作業は1996年および1997年始めにフィンランドの技術研究センター(VTT)で実施された。いくつかの燃料分析はフィンランドの国営石油会社Neste石油により実施された。
フィンランドはこの作業の実施国であった。フィンランドでは技術開発センター(TEKES)とVTTがこの作業を資金面から支援した。この作業に参加したその他の国々はベルギー、カナダ、日本、オランダ、スウェーデンおよび米国である。
我々はこの作業のためにテスト燃料を供給してくれたNeste石油、Forchem石油、Raisio石油およびスウェーデン・エタノール財団に謝意を表したい。Neste石油はまたテスト燃料に関する特別な分析(例えばHFRR)を行った。この作業のためにAudi 1.9 TDI自動車を寄贈してくれたVAG社に対しても特別に感謝したい。我々はまたValmet 612エンジンによるテストの実行を承認してくれたSisuディーゼル会社に対しても感謝したい。
この作業は基本的には基礎研究であり実験室での定型作業ではない。すべての作業は入念に計画され指揮された。VTTエネルギーのエンジン技術グループの熟練した、かつ熱心なスタッフなしでは、この作業の遂行は不可能であっただろう。我々は測定に従事したすべての協力者に感謝したい。とりわけシリンダー圧力の測定には多大の努力と開発の苦労があった。
この研究テーマを1993年にNils-Olof Nylund氏に示唆したカナダ天然資源局のBernard James氏に感謝したい。
Espoo、フィンランド
1997年6月
著者
フィンランド技術研究センター(VTT)