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まえがき

 

本報告書は、日本財団の平成10年度補助事業「危険物の国際基準策定に関する調査研究」に基づいて作成したものである。

国連危険物輸送専門家委員会(以下「国連委員会」という。)は、危険物輸送に係わる基本的要件(危険物の定義、分類、容器基準、評価試験方法及び判定基準等)についての検討を行っている。国連委員会で決定された基準等は危険物輸送に関する国連勧告としてまとめられ、海上運送をはじめとする各輸送モードの国際運送基準(海上運送においてはIMOのIMDGコード)に取り入れられている。

本調査の目的は、国連委員会での審議についてわが国意見を集約し、同委員会へ専門委員を派遣してわが国意見の反映を図るとともに、危険物輸送に関する必要な情報を収集することである。そのため、危険物輸送国連対応委員会(以下「対応委」という。)を設けてその目的を達成することにした。

国連危険物輸送専門家委員会は、西暦奇数年に2回の小委員会、西暦偶数年に1回の小委員会とこれら3回の小委員会での検討を最終的に承認する目的で1回の本委員会を、全てジュネーブの国連欧州本部にて開催している。この本委員会での結果を反映した「危険物輸送に関する国連勧告」改訂版は、西暦奇数年の2年毎に出版されている。従って、平成10年度(1998年)は、第15回小委員会(6月29日〜7月10日)と、第20回委員会(12月7日〜12月16日)が開催された。これに対処するために、対応委は委員会及び部会を開催し対処案をまとめ、専門委員が国連委員会及びその小委員会における審議に参加し、これら会合終了後に、対応委及び部会を開いて国連での審議結果を報告した。

わが国は、第10回小委員会(平成7年度)に「新国連統一圧力容器試験」に関する日本の考え方を提案して、これが採択された。対応委では、これに基づき国連委員会への具体的試験法を提案するための検討を行っている。本年度は、この圧力容器に関する提案としてオランダと共に第20回委員会に「新国連圧力容器試験の開発」を提案し、次期、2年間の継続審議事項になった。

一方、新規有機過酸化物化学名の追加に関するわが国提案は、一部修正の上採択され、次回国連勧告の改正に採り入れられることとなった。

この報告書は、これら対処案及びその結果をまとめたものである。

 

 

 

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