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図表43は最近行われた「ドイツ人にとっての価値と美徳」についての意識調査結果を示している。「休暇」や「財産」の数値をみると、どこまでこの世論調査が信じられるのか疑問だが、旧東ドイツと旧西ドイツともに「家庭」がトップになっている。

ドイツでも「政治」に期待を寄せる者は減ってきており、今回の総選挙もシラケていたと言われている。それでも選挙投票率は80%を越えていた。日本の投票率とは大きな違いがある。ドイツ人は、やはり生活に直接係わる高い失業率、税の負担、青年の犯罪の増加などは政治の問題と考えているからであろう。高齢化社会の進展とともに、就労意欲の減退、税からの逃避など現代病といわれる状況が日本でも同様に問題になろう。こうした事々に対処して行くことで、今は政治的関心が薄いと言われる日本でも、社会状況が厳しくなるこれからは選挙などへの参加率も上昇するのではないかと思っている。

 

図表43 ドイツ人が重要(大切)と思っているもの

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資料:Die Zeit,1998.

 

 

 

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