大邱市(テグ)の高齢化事情とその対策
李 誠國(慶北大学校医科大学教授)
1. はじめに
大邱市は国際的繊維都市と教育都市でソウル、釜山に次ぐ人口規模をもっている韓国第3の都市である。総面積は885.5km2で1980年の人口は1,603,781人でしたが、1995年には2,485,977人になり約15年間で88万人が増加して、年増加率は2.16である。そして、2005年には、2,955,243人になると予測されている。1995年の世帯当り人口数は3.3人で、全国平均水準の3.8人よりすこし低い方である。
2. 老人の人口学的特性
大邱市の老人人口の比率は年少人口(0〜14歳)の比率が減少している反面、継続的に増加しており、1980年の60歳以上、65歳以上の老人人口が総人口の中で占める割合はそれぞれ4.1%、2.5%でありましたが、1995年には60歳以上の老人人口は184,773人、65歳以上の老人人口は114,354人で、総人口の中で占める割合は、それぞれ7.4%、4.6%となっている。
このように老人人口は継続的に増加しており、これに対する老年化指数を見ると、1980年には8.0、1995年には19.9に増加している。
このように老人人口の増加速度が生産年齢人口(15〜64歳)の増加速度より早いことを考えると、生産年齢人口の老人人口に対する負担はだんだん増加することになると予想される。
65歳以上の老人人口の老人扶養比を見ますと、1980年には3.8、1995年には6.4となっている。
65歳以上老人人口の性比は1980年は46.8、1995年には51.1で、このような老人人口の性比不均衡状態は、女性の平均寿命が男性より長いということと、男性の40代以後の死亡率が女性より相対的に高いという理由による。(表1参照)