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(老人亭)に対する運営費支援9.3%を合せて、この二つの項目が経常補助費の97.6%を占めている。老人福祉施設運営費の98%は、無料施設の運営にあてがわれており、有料施設に対する運営費支援は僅か1.5%に過ぎない。資本補助費(472億ウオン)は、老人福祉施設の新規建設・増築・改築のための費用であり、特に痴ほう療養施設の新規建設・増築・改築と老人福祉会館の新築に力を注いでいる。(各々44%)残りは、療養施設と養老施設の新規建設・増築・改築に割り当てている。

 

3. ソウルの老人福祉事業

 

ソウル市の老人福祉事業は、その基本的な「わく」を政府の老人福祉施策におきながら、市の特性に合う老人福祉事業の展開に努めている。ソウル市は、前述の如く、老人人口の構成比が1995年現在4.2%に過ぎないが、年毎にその実数と構成比の急速な増加を見せており、従って老人福祉に対する対策の重要性も増している。

ソウル市の98年度における、老人福祉増進の主な推進方向は、1]生活能力のない低所得老人に対する財政支援を通じての基礎生活の保障、2]健康で活動能力のある老人に対する就業並びに社会活動の機会増大、そして3]老人に対する健康管理の強化と4]老人福祉施設の拡充並びに運営の内実化などに力点をおいている。ソウル市の福祉事業は、1]経済的な問題と関連しては、生活保障と就業斡旋、2]保健医療問題と関連しては、老人の保健医療、痴ほう老人の保護、在家老人福祉、3]社会活動並びに余暇利用と関連しては、余暇活動と社会参加、4]施設事業としては老人の施設保護と住宅保護等に分けられる。(図2参照)

ソウル市の場合、市民福祉関連予算の一般会計予算で占める割合は、1990年の5.8%から1995年の7.2%、1998年の8.9%と急速に増加傾向を見せている。尚、福祉予算の中で老人福祉関連予算の占める割合は、それぞれ、3.8%から12.0%、20.3%と急速な増加を見せている。

前述の老人福祉事業を、ソウル市の98年度老人福祉予算1,230余億ウオンの支出項目と対比して見れば、その構成比は、1]老人福祉施設の拡充と内実化に36.3%、2]在家老人サービスに27.6%、3]痴ほう老人の保護事業に20.6%、4]低所得老人に対する基礎生活保障に12.3%があてられており、残りの3.2%が、老人の就業斡旋事業と社会活動の支援にあてがわれている(図3参照)。1]老人福祉施設の拡充には、この項目の予算の70%が老人総合福祉館の建立と運営費の支援にあてられている。2]在家

 

 

 

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