
プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例が施行されます
広島県は、瀬戸内海という世界的にも恵まれた静穏な水域に面しており、釣やクルージングなど、プレジャーボート
を利用した海洋性レクリエーションが活発に行われています。
平成8年度の実態調査では、県内に約1万9,000隻のプレジャーボートが確認されていますが、これは都道府県別では全
国一の保有数です。
こうした中、海や川などに無秩序に係留されたプレジャーボート、いわゆる放置艇は、他の船舶の航行の支障となるば
かりでなく、係留場周辺での違法駐車場やゴミの投棄など周辺生活環境の悪化、公共施設の損傷や係留場所をめぐるトラ
ブル、景観上の問題など様々な問題を引き起こしています。
県では、こうした問題の解決と海洋性レクリエーション活動の健全な発展を図るために、「広島県プレジャーボートの係
留保管の適性化に関する条例」を制定し、平成10年10月1日から、条例による新しい制度をスタートさせていくことにな
りました。

条例の主な内容
1.届出制度
プレジャーボートの利用実態を把握するとともに、届出者に対して係留保管施設に関する情報など各種の情報を提供す
るため、総トン数5トン未満のプレジャーボートの所有者等にその所有状況等の届出を義務づけました。
届出のあったプレジャーボートには、届出済証(シール)を交付し、所有者はこれを船体にはり付けます。
(※届出済証は、届出があったことを証するものであり、届け出た場所での係留保管を認めるものではありません。)
2.プレジャーボートの放置の禁止
公共の水面へのプレジャーボートの放置及び放置の教唆、又はこれらの行為への協力を禁止します。
●プレジャーボートの放置とは
プレジャーボートがマリーナ等の係留保管施設や正当な権原に基づき係留保管を行う場所以外の場所に係留保管されている状態をいいます。
具体的には、公共の水面に許可を受けずに係留しているものが、これに該当します。

3.重点放置禁止区域の指定と強制移動
放置による問題が大きいと認められる水域から、順次、「重点放置禁止区域」に指定し、係留保管施設へ誘導することに
よって、重点的に放置の解消や防止を図ります。
重点放置禁止区域内でのプレジャーボートの放置に対しては、知事は、指導のほか勧告、命令し、移動しない場合に
は、プレジャーボートを強制的に他の場所に移動することができるとしています。
4.暫定係留区域の指定
今後、関係者と協力しながら、係留保管施設の整備の促進に努めていきます。しかし、恒久的な施設の整備には、多大
な経費と時間を要するため、係留保管施設が整備されるまでの経過措置として、静穏水域を活用した暫定的な係留区域を
設けていきます。
※上記のうち2〜4については、河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項の河川及び同法第100条第1項の規定により二級河川に
関する規定が準用される河川に関し、河川法の定めるところにより、条例と同様の措置がとられることとなります。

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