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Table 3. Routine living customs.


Table 4. Physical execise in daily life.


 また加齢に伴い耳鳴りがする、腰が痛い、関節が痛い、肩がこるあるい はもの憶えが悪くなった、疲れやすいなどといった身体的・精神的機能の減退を訴える者も多い。特に記憶の減退について、 1991年松井と桜井(1991)6)が同町で実施したアンケート調査結果によれば、65歳では80−85%、85歳以上では100%の者が物忘れ (記憶が減退)すると報告している。本調査においてもおよそ60%の者が物覚えが悪くなったと答えており、松井と桜井の報告と よく似た傾向であった。
 ほとんどの者が非常に規則正しい食事の摂り方をし、食べ物の好き嫌いもほとんどない(表2)。そして 「日常生活において食生活で特に留意している点があればお書きください」という問に対し、野菜を多く摂る(44)、腹八分目 を心掛ける(44)、塩分を摂りすぎない(35)、バランスよく食べる(30)、牛乳を飲む(18)、糖分をひかえる(16)、魚を食べる(12)、3食 食べる(11)、好き嫌いをしない(11)などと答えている。
 表3は睡眠と喫煙についての結果を示したものである。ほとんどの者は規則正しく就寝し、6−8時間の睡眠時間を確保してい る。また回答したおよそ75%の者は喫煙しないと答えており、喫煙による弊害を最小限にしていることが推測される。運動習慣 の結果を表4に示したが、約半数の人々が継続的に運動を行っており、運動の種類も非常に多岐にわっている。特に散歩、自転車 、ゲートボール、早歩きと答えた者が多い。これらの結果は松井と桜井(1991)6)の報告とほぼ同じであった。また「日常生活であ なたが特にからだを動かす(運動をする)ことに工夫されている点があればお書きください」という問に対し、農作業を行う (37)、体操をする(31)、近いところはなるべく歩くようにしている(24)、手足の曲げ伸ばし(21)、庭の手入れ(9)、掃除(4)、早寝早起 き(4)、首の運動(4)などと答え、日ごろからかなりからだを動かしているようである。なお活用できる運動施設、運動の指導者、 運動やスポーツの行事への参加に関する問に対して、積極的な回答を寄せた者はそれほど多くなかった(表5)。
 以上のアンケート結果から、この町に在住する大部分の高齢者は、健康や体力を維持あるいは増進するため、食事、睡眠、運動 習慣などに留意しできるだけ規則正しい日常生活を送るよう努力していることが伺える。


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