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フィットネス向上の科学 1998?体育科学 第27巻?

 事業名 日本人の体力向上に関する調査研究
 団体名 体育科学センター 注目度注目度5


平衡性指標と歩行能の関連からみた高齢者の立位姿勢保持能

木村 みさか  岡山 寧子  小松 光代
奥野 直*  永井 由香*  佐藤 勇輝**


The relationship between equilibrium and walking ability

Misaka KIMURA, Yasuko OKAYAMA, Mitsuyo KOMATSU,
Tadashi OKUNO*, Yuka NAGAI* and Yuhki SATOU**


 To evaluate the ability of the elderly of maintain a standing posture and methods of preventing a decline, in this ability the relationship between balancing function and walking ability was studied in 209 individuals aged 60-90 years old (45 males and 164 females).
 Significant age-related changes were observed in parameters of equilibrium (distance of the sway of the center of pressure, one-leg balancing time, A-P%) and walking ability (walking speed, step length) , and the walking speed and step length were significantly correlated with more active balancing function (one-leg balancing time, A-P%). In multiple regression equations using the walking speed and step length as dependent variables, the lower limb muscle strength (vertical jump) was the only significant independent variable in males and the first independent variable in females, and its contribution was greater in walking at maximum speed than in free walking.
 These results suggest that the relationship between walking ability and function of equilibrium is mediated by the muscle strength and that prevention of the decrease in the muscle strength is important for preservation of a high balancing ability and powerful gait.
(Rep. Res. Cent. Phys. Ed. 27 : 83-93, 1998)


 高齢者におけるバランス調整力(平衡機能または平衡性)の低下は、転倒に深く関わっており、骨折、寝たきりに直接、 間接的に結びつくことが指摘されている31)
 我々は、フィールドで安全かつ簡便に高齢者の体力・運動能力を定量化し、これらの結果を運動指導や生活指導に役 立てたいと考え、約20年前より高齢者向けの体力診断バッテリーテストを用いた高齢者の体力測定を継続している。フ ィールドでの高齢者の平衡機能評価法としては、当初、閉眼片足立ちテストを採用したが、このテストの場合、被検者の約 6〜7割が5秒以下に分布し16)、後期高齢者になると測定できないケースもあること等から、現在は開眼片足立ちテストを 併用している17)。しかし、開眼、閉眼いずれの片足立ちテストで評価しても、高齢者の平衡機能は他の体力要素に比べ著し い加齢変化を示す17)。また、神経耳科領域で平衡障害の総合的把握に広く用いられている重心動揺計を用いた測定結果 においても、高齢者での安楽立位の姿勢保持能には明らかな低下が認められる18)
 高齢者の平衡機能がなぜこのように低下するのか。超高齢化社会を迎えようとしている現在、高齢者の転倒防止策を体 力面からアプローチする必要性とそのための基礎的データの蓄積がますます重要になっている。
一方、歩行は、高齢者が 自立した社会生活を営むために必要な最も基本的な能力であり、社会的な活動を積極的に行うのに不可欠な能力である。 既に、いくつかの歩行テスト1)が開発され、主として動作学的、運動学的観点から歩行能の加齢変化が検討されている。多く の報告が認めるように、高齢者の歩行で最も特徴的なのが歩行速度の低下3,17,13,23)である。この歩行速度の低下は、歩幅 と歩調の両者に起因するが、どちらかといえば歩幅の影響の方が強い4,12,22)ことや、歩幅の低下には、片脚支持期の低下 4,13,22,29,30)や下肢関節の運動域の低下13,22)、関節モーメントの要因27)が関係することが指摘されている。Kaneko et al.13)は、高齢者における歩行テストの結果と体カテストとの関連を検討し、自由歩行の歩行速度と種々の体力要素とに密 接な関連があることを報告している。しかし、この例を除けば、一般高齢者での歩行能と平衡機能を含む体力との関連を直 接検討した報告は少ない。
 このような背景に立ち、本研究では、高齢者の立位姿勢保持能およびその低下防止策を論ずる一助にしたいと考え、歩行 能と体力、特に平衡性指標との関連に着目し検討することを課題とした。


京都府立医科大学医療技術短期大学部 College of Medical Technology, Kyoto Prefectural University of Medicine
*神戸女子短期大学 Kobe Women's Junior College
**京都教育大学 Kyoto University of Education



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