2.上位群と下位群の比較
形態測定値(表1)については、身長は上位群(160.5±6.7cm)が下位群(151.6±9.8cm)よりも有意に高かった(p<0.05)が、平均年齢
に有意差は認められなかった。皮下脂肪厚は下位群(33.1±16.3mm)が上位群(17.7±3.5mm)および全被検者よりも有意に大きかっ
た(それぞれp<0.01およびp<0.05)。その他の項目では有意差はみられなかった。
体力測定値(表2)については、いずれの項目においても、上位群の成績が最も高く、下位群の成績が最も低かった。有意差がみられ
たのは往復走および全身反応時間の2項目であった。往復走では下位群(67.3±5.6秒)は上位群(60.0±2.4)秒および全被検者よりも
有意に遅かった(それぞれp<0.01およびp<0.05)。全身反応時間についても、下位群(391.0±52.9msec)は上位群(332.2±51.5msec)
および全被検者よりも有意に遅かった(どちらもp<0.05)。その他の項目では有意差は認められなかった。
往復走ではスピード持久力についてもみることができるので、2往復目から9往復目までのスピードの変化を上位群と下位群で
比較したものが図5である。いずれの周回においても上位群の方がスピードが有意に速かった(p<0.05またはp<0.01)。指数回帰
式であらわすと、上位群はY=3.8606e-0.0276X 、下位群はY=3.5908e-0.034X であり、上位群はスピードが速いだけでなく、スピード低
下の度合いが小さいことが分かる。
練習中における心拍数と%Vo2 maxの平均値(表3)をみると、上位群では123±8拍/分および43.5±10.5%Vo2 max、下位群では127±8
拍/分および45-4±8.8Vo2 maxで、上位群と下瞬の間に有意差はみられなかった。心拍数と%Vo2 maxの最高値についても、上位群と
下位群の間に差はなかった。
練習全体のエネルギー消費量(図2)をみると、上位群は594±114kcal、下位群は490±117kcalであり上位群の方が大きかったが、差
は有意ではなかった。しかし、ゲーム形式の練習では(図3)、上位群が141.3±36.6kcal、下位群が100.2±30.7kcalで、上位群の方が有意
に大きかった(p<0.05)。
Fig. 5. Comparison o runnmg speed during
shuttle run test between the higher
and the lower group. * and ** repre-
sent the p<0_05 and p<0.01, respec-
tively.
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