保健・医療・福祉関係職員に対する研修及び地域住民に対する
健康問題に関する啓発活動の概要
地域社会振興財団は、財団法人日本船舶振興会(日本財団)からの補助を受けて、「へき地住民の健康増進に関する研究等」の一環として、第一部;へき地医療の実態調査と好発疾患の発生機序に関する研究と対をなすものとして、第二部;保健・医療・福祉関係職員に対する研修及び地域住民に対する健康問題に関する啓発活動を行っている。
ここに示す報告書は平成10年度における「保健・医療・福祉関係職員に対する研修及び地域住民に対する健康問題に関する啓発活動」である。平成10年度はこれまでの研修・活動を更に活動的で有意義なものとするために、いくつかの点で改良を行った。平成10年度以降の11年度、12年度と改善を進めるうえで、従来の研修会の内容を新しいものに変えた。また、より新しいことに取り組み、活発な意見を引き出すための方策として、従来の研修委員会以外に、新たに研修委員会幹事会を設けて、柔軟で即時処理能力のある組織とするようにした。
研修会の内容において、新たに採用したものは、「健康教育・ヘルスプロモーション研修会」であり、21世紀の健康教育、ヘルスプロモーション、セルフエフカシイとピアカウンセリングによるアプローチである。大変に好評となり、定員を超す参加希望者があった。この健康教育研修会は今後の新たな方向性を示唆するものと考える。
このような研修会の現地研修会として、「思春期保健・ピアカウンセリング講座の実践化」及び「主体的な行動変容を支えるピアカウンセリング」を行って多数の参加者を得た。
これまで開催していた研修会についても改良を加え、救急医療についての研修会は参加希望者が多数に上るため、研修センターにおける研修会と現地研修会とを組み合わせて行った。
まず、救急医療研修会を「救急現場と医療現場の連携」について企画した。次いで、救急隊員の現地研修会としてセミナーを2回開催したところ208名、290名という多数の参加者を数えたことから、今後も救急医療に関する研修会は回数と内容について更に工夫を加えながら、数多く開催されなければならないものと考えられた。
また、最近の問題である、保健・福祉・医療一体の活動を理解し広げるためには、「介護保険を住民のものに・住みたい地域作りと公的介護保険制度」、「介護保険時代の地域医療」、「在宅リハビリ研修会・在宅リハビリテーションで期待される課題」、「保険・福祉の連携による町づくりを探る・健康づくりと介護保険の調和」、「保健・福祉・医療の連携を目指して」、「介護保険と豊かな地域社会」、「在宅介護について」、等の研修会を実施した。これらの介護等への関心の深さは多数の参加者に示されているとともに、健康への関心の深さを示したのが、栄養に関する研修会であり、「今日の医食同源最前線・疾病と食品」、「咀嚼・嚥下に障害がある方の病態栄養管理」、「高齢者の栄養管理」、「食生活と健康」、等であった。
健康学習に関する研修会への関心も高く、「健康教育から健康学習へ」、「ライフスキル(生きる力)の形成を目指す健康教育ワークショップ」、「健康増進の為の日常生活」、「地域保健活動における情報活用入門」、等が開催され、多くの成果が得られた。
医学・看護等についての研修会として、「医療薬学の諸問題」、「看護研究計画書の活用の仕方」、「看護管理能力の啓発を目指して」、「動脈硬化と臨床検査」、「HIV感染症・エイズについて考える」、「エイズ教育の実践」、「考えてみよう・子どもと生活習慣力・小児成人病を見直す」、「最近の放射線技術」、等を企画し実行し多くの成果を得た。
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