?.検討
A.検討1 健常者を用いた再現性の検討
1.対象
検査に精通した超音波専門医1名、超音波検査士(検査技師)2名、合計3名の検者が、健常な5名の被験者(年令20-21歳)の右総頚動脈で測定を行った。なお、被験者5名はここではそれぞれ、A、B、C、D、Eとした。
2.方法
装置は前述のAloka SSD2000、探触子は7.5MHzのリニア型探触子を使用した。測定は、5名の被験者について3名の検者が別々に計測を行うが、各の測定値については互いに他の検者の結果がわからないようにした。また安静で15分以上仰臥位を保った後に5回行い、その平均値をその被験者の測定値としてml/minで表現した。
経時的な再現性を確認するためには、1ヶ月後に4名の被験者について2名の検者が同一条件で計測を行い、前の測定値と比較した。
統計的検討は、unpaired t testを行い、5%未満を有意と判定した。
3.結果
検者間の変動について
検者1の計測値はA;368ml/min、B;451ml/min、C;385ml/min、D;432ml/min、E;423ml/minであり、その平均値は412±36ml/minであった。
検者2の計測値はA;385ml/min、B;449ml/min、C;389ml/min、D;456ml/min、E;425ml/minであり、その平均値は415±42ml/minであった。
検者3の計測値はA;438ml/min、B;484ml/min、C;407ml/min、D;462ml/min、E;393ml/minであり、その平均値は437±37ml/minであった。
各検者間に有意差を認めなかった(図5)。
同時再現性について
各被験者について3名の検者の測定のぱらつきをみた。3名の検者が各被験者について5回の計測を行い、合計15回についてそれぞれの平均値および標準偏差(SD)はA;396.8±46.5ml/min、B;461.4±313ml/min、C;384.0±29.2ml/min、D;449.7±50.4ml/min、E;413.7±29.5ml/minであり、その変動係数(CV)はA;11.7、B;6.8、C;7.6、D;11.2、E;7.1とおよそ10%前後であった。
前ページ 目次へ 次ページ
|
|