ピースハウスには真ん中にアトリウムという明かりとりの空間があるのですが,そこに季節感を演出するのもボランティアです。
ホスピスケアのポリシー
私たちがたいせつにすること,それはどこのホスピスでも同じではないかと思いますが,第1が死とは必ず誰にも訪れるものである,人間は必ず死ぬ存在であるということです。第2には,患者さんは自分自身の最後のときを生きている,死に向かっているというよりも,いま生き続けて生きているそういう存在であるということ。
3番目は,患者さんには自分のことを自分で決める自己決定権があるのだということ。4番目は,依存をすることは決して品位を落とすことではないということ。患者さんがだんだん状態が悪くなってきたときに,人の手を借りなくては排泄や身の回りのことができなくなってしまう時期が必ずあるわけです。
そういうときに非常に悲しい思いをされたり,みじめな思いをされるのですが,そういうことは決してその方の人間としての品位を落とすことではないのだということです。それはスタッフの側が心して接しなければならない問題でもあると思います。
私たちのケアの基本的な単位は,患者さんだけではなくご家族も含んでいます。もし近しい身内がいない場合は,その方の友人とか恋人も含めてホスピスケアの対象になるととらえています。
ホスピス入院は本人の意思で
私は普段ソーシャルワーカーと一緒に入院相談を受けています。どういう方がホスピスに入院を希望されるのでしょうか。
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