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適材適所の人を選ぶというのがマネージャーとして私のいちばん大事な役割だと思っています。その人選びに私が失敗すると,困るのは私一人ではなくチーム全体も困るし,組織も困ります。ですから,その人の持っているスキルの有無ばかりでなく,その人の動機,人格まで見て人を決めなければいけないのです。
 学歴についても驚くほど高い人たちによく出会うのですが,人への接し方を知らない,人と話し合うことを知らない人がいたりします。とくに医師の仕事は資格ではなくて,コミュニケーションがとれるかどうかが問題になります。
 チームに新しい人を入れる場合には教育が必要です。私は積極的なマネジメントが必要だと思います。私は毎月1時間はスタッフと2人だけで過ごす時間を持っています。その個人面接をすることによって,自分はこれを学習しなければいけないと思うとか,このことに関してはこう感じているということを聞き出す機会になります。それによって1年の評価につながります。それがきちんとできれば時間のロスにもならないし,その人を脅かすことにもならないはずだと思います。英国では伝統的なやり方として,その人がうまくやらない場合にそこで話し合ってものを解決するよりはポストを変えることをよくやりますので,そのこと自体大きな問題になってしまいます。

チームリーダーの役割

 日本に適用できるかどうかわかりませんが,これから二つの点についてお話ししたいと思います。
 ロンドンは多民族都市ですから,それぞれの民族に応えられる能力を持っているかどうかがとても大切なポイントになります。

 

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