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ご挨拶

 

 財団法人 日本相撲連盟
  会長 吉田清治

 

 第7回世界相撲選手権大会が、相撲の殿堂「国技館」において盛大に開催されますことを心よりお慶び申し上げます。

 相撲の歴史を見ておりますと、最古のものとしては、古代バビロニア王朝のカフェジェ遺跡から腰に帯を巻き、右四つに組んだ二人の男の彫像が出土しており、今を去る4,500年以前のものと推定されております。エジプトでは約4,000年以前のものと思われる格闘技を描いた壁画がベニハッサン遺跡から発見されております。古代インドや中国でも相撲に関する伝承や記述が多くの古文書に記載されております。

 こうした遺物から推し量ると相撲は決して日本だけのものではなく、古代には結構世界各地で普及していた競技であると言うことができます。国際相撲連盟並びに各大陸相撲連盟のご尽力によって世界に相撲が復活し、数千年の時空を越えて、本年もまた三十数ヵ国からの参加を得て世界相撲選手権大会が華々しく開催されますことに、大いなるロマンを感じますのは、決して私一人ではないと存じます。

 勿論、現代の相撲は、礼を重んじ、心・技・体の練磨を通じて真の人間形成を目指す誇り高き武道でありますとともに、国際ルールに則った近代スポーツでもあります。

 本大会に参加の選手諸君は、何よりもルールとマナーを尊重し、それぞれの国の名誉と威信にかけて、正々堂々の戦いを挑んで頂きたいと思います。更に勝って誇らず、負けてくじけず、勝者を讃え敗者をいたわり、これを機会に自らのよき人格の形成と人間関係作りにお役立て頂ければ幸いでございます。

 最後になりましたが、本大会の開催にお力添えを賜りました関係者の皆様に衷心より厚く御礼申し上げ、大会の成功と今後ますますのご発展を祈念してご挨拶といたします。

 

 

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