
■事業の内容
わが国中小造船業がシンクロリフト設備を導入する際のマニュアルを作成するため日本の造船所の船台・ドックの大半を手掛けている日産建設(株)と共同で東南アジアにあるシンクロリフトの調査等を行い、最もわが国中小造船業に適したシンクロリフト設備を導入する際のマニュアルを作成し報告書にまとめ配布した。 [1] 実態調査 [1] 調査期間 平成9年11月23日〜12月2日 [2] (調査員) 日産建設株式会社 土木技術部長 松本 喬 事 務 局 業務部長代理 北村和芳 [3] 調査造船所 シンガポール・シップビルディングエンジニアリング及びマレーシア・シャプヤード シンガポール・シップビルディングエンジニアリング社は20数年前からシンクロリフトを導入しており、その規模も当会会員造船所とほぼ同じである。また、マレーシア・シップヤードのシンクロリフトは世界最大の設備で、最近完成し稼働したばかりであった。 [4] 調査項目 シンクロリフト設備の規模並びに造船所のレイアウトについて [2] シンクロリフト設備の導入マニュアル作成 わが国中小造船所にシンクロリフト設備を導入する際のマニュアルを実態調査をもとに報告書として取りまとめ配布した。 [3] 報告書作成 a.規 格 オフセット印刷 約100頁 b.部 数 100部 [4] 配布先 運 輸 省 5部(造船課2部、舶用工業課2部、技術課1部) 委 員 等 52部(委員26部、委員会社26部) 海外事務所10部(シンガポール、パリ、ニューヨーク、シドニー、バンコク各2部) 事務局在庫 33部
■事業の成果
わが国中小造船業は、昭和30年代から40年代に建設された造船設備(船台・ドック)を使用し、その中で設備の機械化等を図りコストダウン等、あらゆる経営努力を重ね地域経済の発展に寄与してきた。しかしながら、わが国中小造船業が、韓国・中国並びに第3造船勢力に負けず21世紀に生き残るためには、造船設備の高度化を図り作業環境を整備することが必要不可欠である。こうしたことから2カ年計画で作業環境整備のための調査研究を実施することとし、本年度はシンクロリフト設備について着手した。今回、実態調査を行ったシンガポール・シップビルディングエンジニアリングはシンクロリフトによる新造及び修繕を20数年前から行っており、当会会員造船所とほぼ同規模の船能力を保有していた。またマレーシア・シップヤードは1997年の4月にシンクロリフトが完成し、その規模は世界最大の設備であった。
これら2社は、シンクロリフトの特性を活かし安全且つ短時間で船舶の出入渠を行っていた。当会は、これら2社の設備を参考にしつつ、わが国の造船所の大半の船台・ドックを手掛けている日産建設(株)とわが国にシンクロリフトを導入する際の設備の規模並びに工場レイアウトのマニュアルを作成したので、近い将来、シンクロリフトを導入する際、大いに寄与するものと確信する。
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