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■事業の内容

青少年の「理科離れ」や「科学技術離れ」の社会的問題を憂慮し、既存の潜水技術の研修に加え、海洋科学技術全般にわたる研修を行う必要があると痛感している。
 このため、当センターでは平成8年度から、海洋科学技術の啓蒙と海洋関連の研究や業務に携わる人材育成を目的として、マリンサイエンス・スクールを開催している。
 この事業を行うことにより、特に青少年の海洋に対する理解促進に大きく寄与できると考え、次のとおり実施した。
 [1] 開催準備
  [1] 事前準備
    本年度は、九州・四国地区の高校及び高等専門学校(高専)の教諭(教諭向け)及び九州地区の高校生及び高専生(生徒向け)を対象に計3回実施した。
    教諭向けは夏休みに(1回目)と春休み(2回目)にそれぞれ1回づつ、生徒向けは夏休みに1回実施した。
    教諭向けの1回目は大分県、宮崎県、鹿児島県及び沖縄県の4県に所在する高校及び高専(305校)、2回目は高知県、愛媛県、長崎県及び熊本県に所在する高校及び高専(300校)の教諭を対象とし、各学校の学校長及び理科主任宛に募集要項を送付し、それぞれ約1ケ月間にわたり募集を行った。
    また一方、生徒向けは1回目の教諭向けと同地区の生徒を対象としたため、その募集については1回目の教諭向けと同じ募集要項の中に生徒向けを組み入れて行った。
  [2] 参加者選考
    上記の募集に対して、1回目の教諭向けには18名の応募があり、2回目は22名の応募があった。これらの応募者に対し、「本スクールへの応募動機」と題した作文の提出を求め、作文審査をした結果、全員を受け入れることとなったが、2回目の参加者のうち1名が直前でキャンセルしたため21名で実施することとなった。また、生徒向けには30名の応募があったが、作文審査の結果、その中の24名を受け入れて実施することとなった。
  [3] 資料作成
    参加にあたっての詳細説明などを記した「参加者のしおり」及び当スクール期間中に使用する「テキスト」を作成し、事前に参加者全員に送付した。
   高校教諭のための海洋研修
    1回目
     a.日 時 平成 9 年8月5日〜8月7日
     b.参加者 18名(担当教科 理科15名、水産2名、その他1名)
    2回目
     a.日 時 平成10年3月25日〜3月27日
     b.参加者 21名(担当教科 理科6名、生物8名、水産2名、その他5名)
   高校生のための海洋研修
     a.日 時 平成 9 年8月26日〜8月28日
     b.参加者 24名
■事業の成果

[1] マリンサイエンススクールの開催

  [1] 高校教諭のためのマリンサイエンス・スクール

    今回のカリキュラムの内容は、昨年度参加した教諭達から得たアンケート調査の結果を踏まえ、実技・実習を多く取り入れた昨年のそれとほぼ同様のものとした。今回も終了時にアンケート調査を実施し、そこから得られた参加者からの感想文から、本スクールが極めて有意義なものであり、当初の目的を十分に達成できたことが確証でき、今後も引き続き実施することの意義が明確となった。

  [2] 高校生のためのマリンサイエンス・スクール

    カリキュラムは教諭のものとほぼ同じであったが、その内容については、講師並びに実技・実習の担当者が前回の経験を踏まえて、あらかじめ咀嚼した内容の資料を作成してくれたため、彼らの理解力も高まり、教諭達と同様に多くの質問が行なわれた。カリキュラム全般を通して最も好評を博したのは、終了後のアンケート調査及び感想文によると「高圧環境体験」や「体験潜水」など、実技・実習といった内容であった。





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