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「高度技術創出環境に関する調査研究」の報告書

 事業名 高度技術創出環境に関する調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

造船・海洋開発分野における我が国造船産業は、世界をリードする生産技術を有しており、これまでも船型開発、機関効率の向上等に多大な貢献をしているところである。これらの造船産業は、成熟産業とも言われており、受注生産という特殊性を有しているため独創的な技術は生み出されにくい一面がある。我が国においては平成7年に科学技術基本法が制定され、科学技術創造立国を目指した、諸施策が講じられており、また、海運造船合理化審議会の答申にもあるように今後の我が国造船産業のさらなる発展のためには、造船産業が新分野を開拓し、新需要を創出していくことが、不可欠であり、そのためには、独創的な技術開発を積極的に推進する必要がある。
 本事業では海外における秀でた独創的な技術開発や製品開発について、開発の背景及び技術開発体制等の調査を行うとともに、我が国における技術開発環境の現状調査を行い、海外との技術開発環境を比較・分析し、今後の我が国造船業及び造船関連工業が新分野を開拓し、新需要の創出等に役立つ高度技術を開発する環境整備の基礎資料をとりまとめ、もって、我が国造船業及び造船関連工業の発展に寄与することを目的とし、以下の事業を実施した。
 [1] 海外における独創的な技術の選定及び調査項目の検討
   ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカ、韓国の8カ国における造船技術の研究開発の概要を文献調査し、調査項目を検討した。
   特に産学官、あるいは国際間での連携による協同研究開発が盛んで、ユニークな研究開発機関が存在する北欧3カ国(ノルウェー、フィンランド、スウェーデン)に対する現地調査を実施した。  
[2] 国内外における技術開発の周辺環境の調査
   国内外の造船業及び他産業におけるプロジェクト研究開発の文献調査及び聞き取り調査を下記項目に対し実施した。
   また、併せて造船分野における研究開発環境に関するアンケート調査を、産学官の研究開発管理者、及び研究開発者に対し実施し、現状と今後の方向性について調査を行った。
  [1] 目的と背景の調査
  [2] 研究開発体制の調査
  [3] 情報基盤の調査
  [4] 国の役割の調査
  [5] 実用化の調査
   上記調査結果を踏まえ、今後我が国の造船技術の研究開発を進めていくにあたり、特に競争力のある高度技術を創出するための研究開発体制及び研究開発の方向等について検討を行った。
■事業の成果

[1] 国内の造船・海洋開発分野の研究開発の現状
  資金不足、人材不足といった厳しい状況の中にあるが、研究開発者の技術の高度化と差別化に対する意識の高さと変革への指向性が把握された。
[2] 国内の造船業及び他産業における共同研究の現状
    建設省関係  国がユーザーとなって、ニーズに基づいたテーマ選定と活用がなされている。
    通産省関係  既存産業の振興及び新産業創造のための基盤技術開発を主とし、シーズ指向となっているが、ニーズ指向へと転換を図っている。
    航空機産業  開発リスク分散のためのダイナミックな連携と標準化による製品コンセプトが注目された。
[3] 諸外国における造船技術に関する研究開発の現状
    北欧3カ国の現地調査により、下記の特徴が把握できた。
   ・ニーズとシーズの発掘から最後の普及に至るまで技術戦略がよくでき、研究開発の成果を直接需要に結びつけるコンサルタント業が存在する。
   ・産学官の協力体制が有機的にできており、企画立案・試験等のアウトソーシングに優れている。
   ・国に産業との間を取り持つコーディネータが配置されており、国の施策の普及及び産業からのニーズの吸い上げ等の役割を担っている。
[4] 高度技術創出に対する環境整備方策
  上記の調査研究結果を踏まえて、2つの研究開発体制を提言することができた。
   ・継続発展型技術開発(既存型船舶の開発)
    船舶のパッケージ化・標準船化あるいは生産の情報化等を行うための造船所を核とした新しい共同研究開発
   ・創造発展型技術開発(新型船舶の開発)
    総合物流システム構築の視点から船舶開発等を行うための専門研究開発機関(COE:Center of Expertise) を核とした新しい研究開発
   以上の成果により、我が国の造船業における研究開発体制と、他産業あるいは諸外国の研究開発体制との比較により、ニーズの的確な把握に基づいた研究開発の重要性が示され、特に我が国の造船業の研究開発には、今後、マーケティング機能やコンサルティング機能、あるいは技術シーズと顧客ニーズをコーディネートする機能が必要であることが明らかにされた。
   また経営資源的に厳しい状況の中で、競争力をいっそう高めるための効率的かつ的確な研究開発体制の変革に向けて、一石を投じることができた。





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更新日: 2023年1月28日

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