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■事業の内容

(1)水辺・緑地の自然環境保全に関する研究
[1] 土地利用計画に関する資料文献の翻訳
自然環境保全を前提とした土地利用施策がほぼ確立していると考えられるドイツにおける制度及び調査手法、EUの環境政策をいち早く実施に移すことに成功してるスペインの手法、オランダのエコロジカル・ネットワークの考え方及び調査・研究等に関する資料・文献等の翻訳を行い、本年度業務の基礎資料とした。
a.対象文献 自然環境の保全を前提とした土地利用計画に関する既存資料及び平成7年度に実施した視察時に収集した資料・文献
b.業務実施期間 平成9年7月〜平成10年3月
c.業務実施者 委託翻訳業者
[2] 埼玉県における自然環境情報及び土地利用計画情報の収集・整理
過去に埼玉県域で行われた自然環境や土地利用に関する、信頼し得る調査データを収集・蓄積し、コンピューターシステムに取り込み可能な精度の情報に整えた。不確かな環境情報は現地調査を行い確認した。情報項目は翻訳文献を参考に、現実に即したものとした。
a.対象資料 埼玉県域において行われた自然環境や土地利用に関する既存の調査データ
b.業務実施期間 平成9年7月〜平成10年3月
c.業務実施者 委託業者
[3] コンピューターシステムによる埼玉県域環境現況情報の整理及び地図化
上記b.の項目で収集・整理された情報を多面的な処理が可能となるようにワークステーションクラスのコンピューターシステムを用いて整理し、地図化を図った。
a.業務実施期間 平成9年7月〜平成10年3月
b.業務実施者 委託業者
[4] 各分野における専門家を交えての将来像計画の策定及び地図化
コンピューターシステムにより管理された地図情報を各分野に専門家と共に解析し、自然環境のネットワーク化を盛り込んだ自然環境の保全・創造戦略及びエコロジカル・ネットワーク整備構想の地図化を図った。
a.業務実施期間 平成10年1月〜3月
b.業務実施者 当該法人(専門家として参加)・委託業者
[5] 報告書の作成
行政・研究者・市民団体等を対象とした解説を加え、報告書を作成した。
a.業務実施期間 平成10年3月
b.仕   様 報告書:A4版
c.数   量 100部
d.業務実施者 当該法人・委託業者(印刷・製本等)
(2) 環境教育カリキュラムガイド等の作成
[1] 環境教育カリキュラムガイドの作成
a.環境教育先進国の調査
現在までの分析結果を基に必要と思われる箇所の補足調査を実施すると共に、教育への環境教育にいち早く取り組んでいるアメリカやノルウェー等のカリキュラムやシステムについて調査を実施した。収集したデータは、整理・分析を行い、本年度業務の基礎資料とした。
(a)業務実施期間 平成9年7月〜平成10年2月
(b)調 査 地    アメリカ・カナダ (8月14日〜28日)
  ヨーロッパ (9月17日〜28日)
(c)業務実施者 当該法人より1名・委託業者
b.環境教育カリキュラムガイドの検討・作成
過去2年間のデータの収集・分析を基に補足調査を行い内容の充実を図ると共に、平成9年度は特に日本において大きな課題のひとつである教員に対しての環境教育研修カリキュラムとそのシステムについて、日本の現状と照らし、今後の在り方について検討を図った。
(a)業務実施期間 平成9年7月〜平成10年3月
(b)仕   様  報告書:A4版
(c)数   量  100部
(d)内   容  環境教育先進国調査の分析
          国内の環境教育動向調査
          教師、並びに教師を目指す学生に対してのカリキュラム・システム等の検討
(e)業務実施者 当該法人、委託業者
[2] 環境教育教材の開発
a.環境教育ビデオの制作
各環境教育実践者の意見を参考にし、環境教育を推進していく上で重要となる教材について検討、開発を実施した。
(a)業務実施期間 平成9年7月〜平成10年3月
(b)仕   様 VHSビデオ(15〜20分)
(c)数   量 200本
(d)内   容 小学校高学年対象
(e)業務実施者 当該法人(企画・監修)、委託業者
b.活用マニュアル(冊子)の作成
ビデオの制作に伴い、行政・教師向けにビデオ活用マニュアル(冊子)を作成する。
(a)業務実施期間 平成9年11月〜平成10年2月
(b)仕   様 A4版8ページ
(c)数   量 200部
(d)内   容 ビデオを授業で活用していくためのガイドブック
(e)業務実施者 当該法人、委託業者
※本事業は、平成10年7月30日完了予定である。

■事業の成果

本事業を3年間実施し、環境分野における先進国を調査した事により、水辺・緑地の利用のあり方についての将来計画を導き出す方法論を学んだ。この方法論を用い、収集した資料と合わせて自然環境ネットワーク化を盛り込んだエコロジカル・ネットワークとしてコンピューターによる地図化を行い、行政担当者や地域の環境NGOを対象に、将来の土地利用を視野に入れた活動の展開を促すための普及・啓発活動に活用した。

また、我が国の環境教育を進める上でネックとなっている指導者の養成の為の体制を構築する旨の報告書をまとめ、あわせて環境教育ビデオを製作した事により、環境教育の推進に寄与するものと思われる。





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