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■事業の内容

(1)防災まちづくりプラン策定支援システムの研究開発
   −防災まちづくりエレメントの作成・表示システムの研究開発−
  [1] 研究内容
    阪神・淡路大震災後、防災まちづくりへの関心が急速に高まり、各地において、防災まちづくりプランが検討されている。当該プランを策定する場合には、[1]防災まちづくり課題の抽出、[2]課題解決のための防災対策の選定とその効果の評価の作業が前提となるが、従来この作業の多くは手作業と経験的知識をもとに行われており、作業効率に問題を有していた。
そこで、プラン策定の作業効率の向上を図るために、防災まちづくりに関係する各種エレメントの作成・表示システムの研究開発を行った。
  [2] 報告書の作成及び配布
    報告書をまとめ、A4判500部を作成して、人口5万人程度以上の市へ配布した。
(2) 防災資料のデジタル化技術に関する調査研究
  [1] 研究内容
    インターネット、パソコン通信は、重要な情報通信手段として急速な普及が見込まれている。都道府県、市町村等の防災関係機関においても、それらを活用することにより有用な情報の交換や発信が効果的に進められるようになり、防災行政効率化に大きく寄与できるものと予測される。
    インターネット等による情報通信には、デジタル化されたデータが必要となるため、防災資料のデジタル化するための技術の現状と展望及び防災資料の効果的なデジタル化方法について調査研究を行った。
  [2] 報告書の作成及び配布
    報告書をまとめ、A4判200部を作成して、都道府県、市(15万人以上)へ配布した。

■事業の成果

(1)防災まちづくりプラン策定支援システムの研究開発
   −防災まちづくりエレメントの作成・表示システムの研究開発−
   本事業で開発したシステムを市町村において使用することにより、防災まちづくりにおける防災マップの表示がパソコン上で可能になる。
   これまでの防災マップや防災カルテは、主として紙上で表示されるものであり、ひとたび作成するとその変更は困難であったが、本システムを活用することにより、現情報の変更に伴うデータの更新や、目的に沿った表示内容の選択など、防災行政に沿った最新の情報を必要に応じて表示・印刷が可能になる。
   また本システム導入は、防災アセスメント、調査結果など既存の資産を有効に活用できるとともに、地域防災計画や被害想定など防災施策全般の円滑な推進の一助になるものと考えられる。
(2)防災資料のデジタル化技術に関する調査研究
   この調査研究で明らかにした防災関係資料のデジタル化手法を適用することにより、市町村が保有する様々な種類・属性の防災関係資料を効果的にデジタル化することが可能になった。
   特に、市町村が最も多く保有している紙媒体の文字データ(地域防災計画、災害記録、防災関連調査報告書等)を効率的に電子媒体化するためには、OCR技術が最も有望であることを明らかにした。また、ワープロ、画像処理ソフトを活用した電子媒体化、既にデジタル化されている異種メーカのワープロ化文書等の交換(コンバージョン)による有効活用、インターネットを通じての効率的なデータ発信と収集、総合環境化で利用可能なデータ作成ソフトの活用などの有効なデジタル化手法が多数あることを明らかにした。
   さらに、これらの手法を適用することにより、防災行政の現場にどのような高度化がもたらされるかを防災関係資料の利用場面に則して具体的に知ることが可能になった。





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