日本財団 図書館


■事業の内容

全国の少年・少女を対象に、寄港地を海外と国内に区別し、大型客船で洋上を航海しつつ、「海」「船」「自然環境」に係わる学科や実技研修、特に寄港地でのボードセーリング、カヌー、アクアプログラム等の海洋性レクリエーション活動を体験させ、海に関する理解を深め、豊かな人間形成と人類と海の係わりを知らしめるために、海外体験航海「少年の船」及び国内体験航海「少年の船」を実施した。
 海外体験航海では、本年度が第20回目を迎えるため、寄港地グアムにおいて、各種の記念イベントを実施したり、在日インターナショナル・スクールの在学生及びグアムの中学・高校生を招待し、相互の交流を図った。
 国内体験航海では、寄港地の海洋性レクリエーション活動(ブルーシー・スポーツ)と、更に自然 環境を利用するバードコール、アートネイチャーハント等のグリーンランド・スポーツプログラムを追加し、実施した。
 また、沖縄・勝連町の少年・少女とのブルーシー・スポーツ交流等を実施し、相互の交流を図った。
 [1] 海外体験航海 「少年の船」
  [1] 内  容  全国の中学生及び高校生の男女を対象に一般募集するとともにグアム及び在日インターナショナル・スクール等の中学・高校生を招待し、共同体験・生活を通して相互の交流を図った。
          洋上では、海や環境保全のための講義や各種の実習、マリンフォーラム、星座、レクリエーション等を実施した。
          寄港地グアムでは、ボードセーリング、カヌー、バナナボード等の海洋性レクリエーションの実体験や現地の青少年との交流、20周年記念イベント、サイパンでは、P・I・C(パシック・アイランド・クラブ)で、ウォーター・スライダーやウォーク、バスケット等のアクアプログラムを実施した。
  [2] 寄港地    グアム・サイパン
  [3] 使用船    ふじ丸(約2万3千トンクラス)
  [4] 行  程  グループAについては、東京(晴海港)に集合、船でサイパン、次にグアム、そして飛行機で成田に帰国し、解散。
          グループBについては、東京(江東区深川)に集合、バスで成田に着き、飛行機でグアムに入国し、船でサイパン、そして東京(晴海港)に着岸し、解散。
  [5] 期  間  グループAは、平成9年7月22日〜同年7月29日(7泊8日)
          グループBは、平成9年7月28日〜同年8月5日(8泊9日)
  [6] 参加者数  973名(A・Bグループ)
          内 訳:グループAは、448名(グアム8名、在日インターナショナル・スクール5名)
              グループBは、525名(グアム8名、在日インターナショナル・スクール7名)
 [2] 国内体験航海 「少年の船」
  [1] 内  容  全国の小学生(5・6年生)及び中学生の男女を対象に一般募集し、大型客船で航海、洋上では、海や環境保全のための講義や各種の実習、星座、レクリエーション等を実施した。
          寄港地沖縄では、ボードセイリング、カヌー、バナナボード等の海洋性レクリエーションの実体験や現地の青少年との交流、自然公園での、バードウォッチング・コール、アートネイチャーハント等のグリーンランド・スポーツプログラムを実施した。
  [2] 寄港地    沖縄
  [3] 使用船    新さくら丸(約1万9千トンクラス)
  [4] 行  程  グループAについては、北海道〜静岡県近辺を対象とし、東京(晴海港)に集合、船で沖縄へ入港、そして飛行機で各空港(名古屋、羽田、仙台、千歳)に帰着し、解散。
          グループBについては、静岡県〜九州近辺を対象とし、各空港(名古屋、伊丹、広島、福岡、鹿児島)から飛行機で、沖縄に集合し、船で大阪港に着岸し、解散。
  [5] 期  間  グループAは、平成10年3月26日〜同年4月1日(6泊7日)
グループBは、平成10年3月31日〜同年4月6日(6泊7日)
  [6] 参加者数  934名(A・Bグループ)
          内訳:グループAは、479名
             グループBは、455名
■事業の成果

本事業は、参加者に対して洋上航海することにより、実践的に「船」と「海」を理解させるとともに、五感や身体から直接的な方法で、知らしめることができた。
 特に洋上での生活は、定空間(限られたスペース)や環境変化(周囲が海)が媒体となり、身体の運動機能(調整力)と防衛力、精神の環境防衛力と感情等を高め、船社会(運命共同体)をつくりだし、共通意識が育まれたり、自然現象を肌で感じることができるようになったと思われる。
 この要因により、「船」の基本的な運用や人類と海の係わりを短期間で、理解させることができた。
 海外体験航海では、日本、グアム、在日インターナショナル・スクールの少年・少女による、洋上マリンフォーラム(海は人類を救えるか)を開催し、海洋環境に対する共通意識を育むことができた。
 また、現地での海洋性レクリエーション活動(ボードセーリング、カヌー、バナナボード等)を通して、より一層の海に対する関心・興味を深めた。
 グアムの少年・少女とのスポーツ・レクリエーション(ダンス、ボール運び、シャボン玉、縄飛び等)交流や20周年記念イベントは、その国の文化・生活等に触れさせ、国際親善に反映した。
 国内体験航海では、海外での実績を踏まえ、洋上での研修内容を充実させるとともに、現地・沖縄で、海洋性レクリエーション活動のブルーシー・スポーツと、自然環境を利用した、アートネイチャーハント、バードコール・ウォッチング、ハイキング等のグリーンランド・スポーツを新たに採用し、実施した。
 今回は、ブルーシーだけではなく、グリーンランドの分野にも発展させることができた。現地沖縄・勝連町の少年・少女との交流会を実施し、相互の交流を図った。
 感受性の高い時期にある少年・少女に対して、こうした実践体験(生きた研修)は、精神的な育成に効果があるとともに、将来の生きる道標になるであろう。そして、海洋環境保全(自然環境に対する興味・理解)への一矢になると期待できる。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION