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「海洋環境対策手法に関する調査研究」の報告書

 事業名 海洋環境対策手法に関する調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

近年、CO2 による地球の温暖化、フロンによるオゾン層の破壊、NOx・SOxによる大気汚染、農薬や化学物質による地下水・土壌汚染、河川・海洋汚染等、地球環境問題がとりあげられている。これらの影響は、人類のみならず地球上の動植物にも今後大きな被害を与えると予測され、早急な対策が必要である。特に、地球の約70%の面積を占める海洋の環境関連問題に関する対策は重要である。
 本事業では、地球環境問題の全体像を把握した上で、特に海洋に焦点を当てて、問題点を把握するとともに、効果的な技術的アプローチについて検討し、今後の海洋環境保全を行うための有効な技術開発推進の基礎資料を得ることを目的に、以下の項目について実施した。
 [1] 現状の地球環境問題の把握
   環境庁報告書、科学技術庁報告書ほかの各種の環境問題に関する資料を収集、分析し、地球環境問題の概要を取りまとめた。さらに、海洋環境に関する環境問題に焦点をあてて問題・課題を網羅的に抽出し、系統的に分類、整理した。
 [2] 現状の海洋環境対策手法の把握
   網羅的かつ系統的に分類整理した海洋環境問題の中から、問題の大きさや対策技術の実用・実効性などを総合的に勘案し、早期に対策が望まれる問題および対策手法の検討を行った。上記で分類整理した海洋環境問題の中から重要な項目を各委員が評価し、集計する手法を採った。その際には、各委員の意見を集約することを目的にアンケートを実施した。海洋環境問題一覧表について各委員に添削を依頼し、分類整理法についての意見を基に6つの重要課題群に課題を再整理した。
 [3] 海洋環境対策手法の研究・実用化動向の把握
   各種の海洋環境問題についての対策手法の抽出を目的に調査を行った。調査手法は次のものを組合せた。
  [1] 各委員からの情報提供
  [2] 有識者へのインタビュー取材
  [3] 各種の文献、発表論文等の収集
   重要性の高い問題についての対策手法を優先的に調査する必要があるため、緊急性や対策の必要性が高いと判断された6項目について研究開発動向を調査し、海洋環境問題に資するための対策手法の抽出を行い、対策手法の研究開発を進める上での課題を検討した。
 [4] 海洋環境対策手法の方向性の検討
   海洋環境対策として取り組むべき方策について検討し、取りまとめと提言を行った。
■事業の成果

本事業では、現在までに報告されている地球環境問題や先端科学技術に関する各種報告を基に、「海洋環境」という視点から海洋環境問題を網羅的に整理した。
 海洋に関する地球環境問題としてリストアップされた約250の課題について、積極的な取り組みが求められる課題を中心に、委員会で分析・評価を重ね総合的な見地から重要課題を抽出した。
 これらの課題を現象要因、対策課題の目的などを考慮して次の6つのグループに再整理し、海洋環境対策に向けた研究開発の焦点を明確化した。
  ・流出油処理問題
  ・ホルモン撹乱物質による内分泌異常(環境ホルモン)
  ・生態系への影響、生態系・生物の多様性保全、海洋における物質循環
  ・赤潮、青潮
  ・ゴミや汚染物質による海洋汚染問題
  ・地球温暖化による海洋環境への影響
  重要課題群ごとに問題・課題への対策手法例を挙げ、海洋環境の問題点と対策の位置づけを明確化し、今後の方向付けを示した。
  研究的モニタリング(モニタリング手法を確立し、因果関係を解明し、影響が現れるための閾値を見いだすためのモニタリング)を戦略的に進める必要があることを明確化した。
  さらに、広い海を対象に測定データの収集が必要とされていること、および、科学技術の発展によってモニタリング手法も進歩していることを考え合わせ、定期航路の船舶や航空機などを利用したモニタリングのボランティアシップを一層推進していく必要があることが判明した。
  本事業の成果は、海洋環境の研究や技術開発に携わる研究者や政策立案者などが、今後の方針を考える上での指針になるものと期待される。
  以下に項目ごとの成果の概要を示す。
 [1] 現状の地球環境問題の把握
   地球温暖化、オゾン層破壊、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁等、陸地に関わる問題、そして、原油流出及び工業排水、農業排水等の流出による海洋汚染等、海洋に関わる問題をはじめ、地球環境問題の全体像を明らかにできた。
 [2] 現状の海洋環境対策手法の把握
  [1] 海洋環境問題の抽出、整理
    「河川・湖沼・沿岸」「海洋」「海底」「地球規模の海洋環境問題」の4種類について、可能な限り網羅的かつ重複なく整理できた。
    問題・課題は、委員会討議により「短期的課題」と「中長期的課題」に区分し、現時点から5年後くらいまでに取り組みが求められるものと、5年程度以上先に取り組みが必要となるものに分類・評価を行い、研究者や政策立案者への指針となるものとなった。
  [2] 海洋環境問題の重要性評価
    [1]で整理した項目について、課題の評価・検討を行い、研究資源として集中して取り組みの求められる重要課題を委員会討議によって選定した。
    さらに、この中から長期的で規模の大きな課題を除外し、6グループの課題群に区分した。
 [3] 海洋環境対策手法の研究・実用化動向の把握
   重要課題の6グループのうち、流出油処理問題を除いた5つの課題群について、専門家へのインタビュー取材等によって、研究開発の現状と対策手法例について調査研究を行い、研究開発および実用化の動向とを明確化することができた。
 [4] 海洋環境対策手法の方向性の検討
   海洋環境問題は広範多岐にわたり、生態系の複雑な食物連鎖を通じて物質の移動が基盤となっている。海洋環境対策手法の研究開発動向調査、及び、委員会討議により、生態系の構造や物質循環についての情報が不足しており、基礎的なデータを収集していくことが最も重要であることが判明した。
   その上、モニタリングは一つの方法だけでなく、他種類の手法を組み合わせて行う必要があり、今後、組織的なモニタリング体制、サポート体制の確立が求められていることが明らかにすることができた。今後の取り組むべき研究開発の方向づけがなされたことの意義は大きく、本事業の成果は、海洋環境の保全、改善に寄与するものと考えられる。





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