みなさんはこのビデオをご覧になって、どのような感想をおもちになったでしょうか?
もちろん、このような短い時間でスウェーデンの知的障害をもつ人たちの福祉の全体像をご紹介することはできません。このビデオで私たちがお伝えしたかったことは、スウェーデンという国では知的障害をもつ人たちについてどのように考えているのか、どのような援助をしようとしているのか、その基本的な姿勢です。そのことを現実に暮らしている人たちの様子を通して見ていただきたかったのです。
ビデオには、長い間施設で暮らしていた人たちが、今ではさまざまな援助を受けながら、社会の中で一般の人たちと交わりながら同じように生活している様子が映し出されています。そこには、「どんなに障害が重くても、人間として普通の生活ができるように援助をしていこう」という、知的障害をもつ人たちの人権を大切にする姿勢がはっきりと示されています。
このビデオの中ではあまり触れませんでしたが、知的障害をもつ人たちの援助の背景に大切な役目を果たしているのが法律です。日本の現状から見ますと、福祉に関係する法律は無味乾燥で現実離れしたものというイメージをおもちだと思いますが、スウェーデンではいささか事情が違います。ここでは、この点についてやや詳しくご説明したいと思います。