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グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    今後の課題と提言


      今後の課題と提言

知的障害者のグループホームの実態調査を全国各地で実施したが、全国の全面的な調査研究とはなっておらず、今後の課題も多い。最後に、以下今後取り組むべき課題について提言しておきたい。

1)グループホームの暮らし方調査
今回、各地の特徴あるグループホームの実態を一定程度調査したわけであるが、こうした調査に基づき、典型的と考えられるグループホームについて、より詳細な暮らし方とその問題点の調査を実施し、個人的生活、地域生活、職場での生活等の実際とその問題点を把握し、よりよい暮らし方の知恵を集めたガイドブックなどを提言することが必要ではないか。

2)グループホームのモデル設計提案
上記の暮らし方調査を踏まえて、日本型のグループホームの在り方を検討し、日本型グループホームの多様な在り方を踏まえた、グループホームのモデル設計提案を行うことが必要ではないか。
特に重い障害を持った入居者のいるグループホームの場合については、建築・環境の在り方がグループホームでの生活の質を左右すると思われる。こうしたグループホームの設計のモデルプランを提案することは重要なテーマになると思われる。

3)グループホームの企画・計画・設計・建設・運営管理のマニュアル
グループホームが全国的に普及しつつある現在、これまでの経験を踏まえて、グループホームの企画・計画・設計・建設・運営管理の進め方についての知恵を結集させて、そのマニュアル的なものをまとめ普及することは、今後のグループホームの発展にとってきわめて重要ではないか。

4)地域生活援助事業のモデルの実現
地域生活の実現は、単にグループホームのみで成し遂げられるわけではない。デイサービスセンター、仕事の場、余暇活動の場等との連携において実現するものと思われる。こうした実際のモデル実現の場を全国的に募集し実現することが、今後の発展にとって重要な課題となろう。

5)世界のグループホームの実態調査
グループホームの在り方はその国の文化的特性を反映している。世界各国のグループホームの制度・実態を文献調査、現地調査を行い、日本型グループホームの在り方を検討することも重要な課題であろう。

平成10年3月 筑波技術短期大学
萩田 秋雄






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