日本財団 図書館


次のページへ

グループホームの住まいに関する調査研究報告書


    グループホームの住まいに関する調査研究 6 和歌山大学 足立啓 グループホームの住まいに関する調査 〜 1次報告 〜 1997年12月末


      はじめに

今回の調査の地区選別にあたり、?@郊外都市宅地型、?A山村過疎立地型、?B大都市立地型の3種型の事例について調査を行っています。調査地区の選定の理由は次のとおりです。
(GH=グループホーム)

?@大阪府立金剛コロニーGH(郊外都市宅地型)・・・約700人規模の大阪府立金剛コロニーを母体施設として、GH入居者は富田林市内、及び周辺市街地14箇所に分散居住し、一般企業等にて就労されています。
最初のGHが市街地に設置されて以来、7年が経過しており、その後の居住者の動向や住居等の変容過程を把握できればと考えて選出しています。

?A和歌山県大塔村GH(山村過疎立地型)・・・・和歌山県の山村過疎地において大阪府堺市の精薄施設の移籍があり、その施設を母体として、平成9年4月より無認可でGHを開設しています。そこで、この山村過疎地域でGHを開設に至った経緯、背景を含めその原状と今後の展望などを調査項目として考え、選出しています。

?B大阪市生野区GH(大都市立地型)・・・大阪市の都心エリアにおいて、施設主体ではなく住民サイドからの取り組みによりGHが開設されています。
養護学校を卒業された方々の保護者有志の会(後に「出発(たびだち)のなかまの会」)が無認可で始められたこのGHにおいて、その運営システム、生活サイクルの特徴を検出すべく調査対象として選出しています。

これら3地区について私どもは、建築的サイドからこれらのGHの中での個室や共有空間の使われ方、立地の現状と理想意識、また、地域利用の状況、就労地域とGHとの位置的関係等、地域利用の状況と共同生活の場としての共有空間のありかたなどを調査しました。それらをもとに将来福祉住宅として知的障害者から健常者までだれもが快適に暮らせる住宅のプロトタイプを考えるうえでの一つの布石になればと考えています。
以下、3地区の調査結果の概要、GHの名前と住所および開設年、GH点在の配置地図、GH等の外観例の写真、GHの平面図例の順に掲載しています。










日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION