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高齢者ケア国際シンポジウム
第4回(1993年) 高齢者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)


開会式  来賓挨拶

厚生事務次官
古川貞二郎



第4回高齢者ケア国際シンポジウムが開催されるにあたり、ひと言ご挨拶を申し上げます。
ご承知のように、高齢化は世界各国共通の趨勢であり、これに対応するためには、いままでとは違った社会の仕組み、人々の考え方が必要です。とりわけ、わが国は人口の急速な高齢化、出生率の低下により、21世紀の初めには国民の4人に1人が65歳以上、そしてまた、さらにそのうちの約半数が75歳以上という、世界にも例をみない、たいへん高齢化の進んだ国になるということが予測されています。
このような本格的な高齢・少子社会を迎えても、すべての国民が健やかで生きがいに満ち、安心できる社会保障を確保していくことが、生活先進国を目指すわが国のたいへん重要な課題であると私どもは考えています。
これらから政府は、平成2年度(1990)から、「高齢者保健福祉推進10カ年戦略」いわゆるゴールドプランに沿い、高齢者の保健福祉の分野におけるサービスの基盤整備を着実に図るとともに、地方自治体が責任をもってサービスの確保が図られるような老人保健福祉計画の策定を進めていくなど、さまざまな施策を推進しています。
このような私どもの経験や高齢者ケアに対する考え方をご紹介申し上げますとともに、諸外国のご経験や考え方を種々お聞きし、これを基に今後のあるべき姿をいっしょに議論し、求めていくことが、21世紀を間近にひかえた今日、われわれに求められているのではないかと思います。
このようななかで、高齢者のクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life:QOL)をテーマにし、内外の専門家の方々をゲストに迎えて開催される本シンポジウムは、今後の高齢者ケアを考えていくうえでまことに意義深いものであるとともに、活発な議論が行われ、多くの実りある成果が得られることを心から期待しています。
最後に、本シンポジウムの開催に非常なるご尽力をなされた財団法人日本船舶振興会、財団法人笹川医学医療研究財団、ならびに読売新聞社に対し、深く敬意を表するとともに、海外からおいでいただきました専門家の方々をはじめ、本日、全国からお集まりの関係者各位のよりいっそうのご活躍と、本シンポジウムが成功裏に行われることを心から祈念して、ご挨拶とさせていただきます。





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