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高齢者ケア国際シンポジウム
第3回(1992年) ゆとりある生活環境と自立


来賓あいさつ

厚生事務次官
黒木武弘



皆様お早うございます。厚生事務次官の黒木でございます。第3回高齢者ケア国際シンポジウムが開催されるにあたりまして一言ごあいさつを申し上げます。
まず最初に、本シンポジウムのために海外からおいでいただきました専門家の皆様におかれましては遠路よりようこそおいでくださいました。心より歓迎申し上げます。
ご承知のように高齢化は世界各国共通の趨勢であり、これに対応する今までとはちがった社会の仕組み、人々の考えが必要であります。とりわけわが国の高齢化の進行は急速であり、本日ここにお集まりの方々の国々の数倍の早さで進み、21世紀の初めには国民の4人に1人が65歳以上の高齢者となり、さらにそのうち約半数は75歳以上という世界に例をみない高論化の進んだ国になると予測されております。
このような超高齢社会の到来に備えてすべての国民が健やかで生きがいに満ちた明るい長寿社会を築いてゆくことがわが国における重要課題であり、このため、政府は高齢者保健推進10カ年戦略ゴールドプランを作成し、平成2年度より高齢者の保健福祉の分野におけるサービスの基盤整備を図るなど様々な施策を推進いたしております。こうした私共の経験や高齢者ケアに対する考え方を紹介しますと共に、諸外国の経験やお考えをお聞きし、これをもとに今後のあるべき姿を一緒に議論し求めてゆくことが21世紀を間近に控えた今日、我々に求められているのではないでしょうか。
このような中で「ゆとりある生活環境と自立」をテーマに、内外の専門家の方々をゲストに迎えて開催されます本シンポジウムは、今後の高齢者ケアを考えてゆく上で誠に意義深いものであり、厚生省からも老人保健福祉局長はじめスタッフも参加させていただいております。活発な議論が行われ多くの成果が得られることを期待いたしております。
最後に本シンポジウムの開催にご尽力された財団法人日本船舶振興会、財団法人笹川医学医療研究財団、読売新聞社に深く敬意を表すると共に、海外からおいでいただきました専門家の方々をはじめ、本日お集まりの関係者の皆様のご一層のご活躍と、本シンポジウムが成功裏に行えることを祈念いたしまして私のあいさつといたします。ありがとうございました。
平成4年10月21日





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