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開会式

 

主催者挨拶

日本保育協会

 

基調講演

子どもの国際化

萩原 元昭(江戸川大学教授・放送大学客員教授)

 

21世紀に向けて国際社会に共に生きる日本人を育成することが、今日重要な課題になっています。保育所とて例外ではありません。

日本に長期滞在の外国人登録者は1980年代中半以降から年々増加し、1994年末に135万人を越えていると報告されています。

もちろん、外国籍幼児の増加に伴い、保母(父)に、今迄の保育や保育所のあり方を見直すことが必要になってきているようです。

ある保母さんは「外国籍の幼児を預かったことで、服装、持物、登降園の時間など保育所の約束ごとを見直すことが必要になり、それが全体の保育内容の見直しにもつながっていった」と述べています。

また「子どもの国際化」という場合、マジョリティとしての日本の子ども、保育者とマイノリティとしての外国籍の子ども、親との関わりを問う必要があるようです。

次に、子どもの国際化とは、日本・外国双方の子どもについて、相互の心理的要求がみたしあえるように、相互に受容し、理解しあい、援助しあう過程を表すと考えることができます。第3に、外国籍の子ども、親を受容し理解し、援助するためには、とかく私達が抱きがちな、同じ考え方、価値、習慣、言語を認め尊重する基本的な考え方の見直しが必要でしょう。

まず、外国籍の親・子どもの2つの要求、すなわち、日本の文化、習慣、言葉を、幼児のリクエストに応じて、学習してゆく機会を設定すること、逆にやがて、母国に帰ったときのためにも母国の様々な習慣や態度にも、園の生活や行事の中で、表現したり保持しやすいように、幼児の出番作りをする必要があるかもしれません。

ところで、子どもの国際化を促す条件や環境について考えていきたい。

 

 

 

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